【10時間目】魔王様、説得のお時間です‼︎
「は、はぁ!?実は躑躅森は異世界の魔王で強力な魔法を持ってたけど何者かに奪われて、その力がなぜか私たちに
説明乙、と言いたいところだが水原さん、残念ながら事実なんだよね。
「ふっふっふ!水原 さくら子よ!心中お察しするぞ!私も
「そういえばこの子には拉t…連れてきた時に私たちの目的を教えてなかったですよね」と聖良が耳打ちをしてくる。
確かに。そういえば種田さんには全くもって説明はしてなかった。そもそも
「種田 冬火は友達が居なかった訳ですから私の
「言うなって!それ以上言うなって!また泣いちゃったら絵面完全にアウトになるんだから!てか今拉致って言っちゃったよね!?しかもご
「ツッコミのキレが戻ってきたわね……それはさておき種田さん、あなた神託を受けた勇者やらなんやらなら魔法の一つぐらい見せてみなさいよ」
あんなにイキイキしていた種田さんが
そりゃ自分が勇者だのなんだと
ふん、と魔法を出す練習?をし始めた種田さんを
「すみません。お見せするのは難しいかと。──なぜなら私たち魔族の持つ魔法は実は水原 さくら子が想像するような、いわゆる"魔術"とは違うのです」
「何が違うのよ?」と
「"魔術"って言うのはその現象が起こる
「簡単に言えば
理解したか否か分からない、さきほどから
相変わらず隣では種田さんが荒ぶっているが特に気にせず僕は続けた。
「それに対し僕ら魔族が
「つまりは我々のいう"魔法"は"
「ちょちょちょ待って!今なんかプリって、なんか出そうだぞ!今、出るっ!」
僕らの説明をいささか雑にぶった切ると急に立ち上がり、そう種田さんが叫んだ。
「何が出るんですか種田 冬火?う◯ちですか?」
「それは我が盟友の方だぞ……」
おいホー◯スの武田 ◯太選手みたいなエゲツないドロップカーブで死球当ててくんのやめろや。
「今度は
「いやうるさいよ……もう漏らさないから、二度と……!」
ああ、やめて水原さん。
「え?あんたその年になって
まるでチベットスナギツネのようなその乾いた目やめて……。
「ま、まあ漏らしたか漏らしてないからはともかく。聖良さんはその
「あぁ水原さん、聖良の
すぼぼぼぼぼぼぼふっっっっっ!!!!!!
これは一話目の僕が
これは種田さんの手のあたり、丁度魔法を出す練習をしていた、とどのつまり手のひらから出た炎と共に出た音である。
いや10話目だからって1話目のリバイバルしなくていいから──────じゃなくて。
「あっっっつつつ!!ちょっと何よこれあっつ!!炎!炎よこれ炎!!大火事になっちゃうわよねこれ!!大惨事じゃない!!!サ◯ジの足みたいになってるわよこれ!!!!」
「これは逢魔様の持つ7つの固有魔法の一つ……
「確かにびっくりだけどまずは水原さん助けようよねぇ!!水原さん
─────数十分後。僕らは
幸い、今日は水原さんの両親とお姉さんは遅くまで家に帰ってこないらしく、すんでのところで大規模な火災になってしまいそうだったことが露見する事はないとの事。まあある程度コゲはバレると思うけど。
「………なるほど。事情は分かったわ。あなたたちの言ってたことは真実だと言うことも、ね」
水原さんはそれはもう漫画のような見事のアフロ姿(と若干焦げ目がついた)でそう言うと僕らに協力してくれるとの意を示してくれた。
ここまで
「わっはっは!やっぱり私はこの世界に選ばれた勇者だったのだ!さあ我が聖なる炎の前にひれ伏せ
「
「…………………………」
まあ、なにはともあれこの件は水原さんの協力を得たし一件落着かな。
なぜ種田さんが僕の固有魔法を使えるかは不明だけど(もしかしたら水原さんも、否、他の能力持ちの人も使えるかもしれない?)今はともかく家に帰ることが先決だろう。
水原さん家を後にする頃にはもう七時を回っており、外はすでに
そんな彼らを優しく包み込むように差し込む月光に僕は少し、得体の知れない不気味さを感じこれから迫りくるであろう困難のその予兆を感じ取っていた。
「躑躅森 逢魔。彼が……"魔王"か……」
☆あれれ?これギャグ・ラブ・コメディじゃなかったの!?──────────
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【登場人物紹介】
●躑躅森 逢魔
魔王の息子で主人公。
10話記念という名目で再び脱糞した記憶を呼び起こされる不憫な魔王様。
明日は明日の風が吹く。
●躑躅森 聖良
逢魔の幼馴染でお付きのメイドさん。
今回は説明回でもあったのでボケは少なめ。
次回はボケマシマシのアブラマシマシのギトギト回にすると意気込んでいるらしい。
●種田 冬火
世界に選ばれた神託の勇者(妄想)。
水原さんに煽られたために魔法を出そうと頑張っていたところプリッと出た。……出た(大事なことだかr)。
ちなみに後日、家に来た請求額はうん十万だったらしい。
●水原 さくら子
スポットライトがついに逢魔たちから周囲のヒロインに移ったため実質ツッコミ役もさくら子にコンバートされた。
そのせいか前々回からの不幸続きで不満が溜まっている。
実はその不満を冬火への請求額に色をつけて(大嘘)発散したらしい。
●ホー◯ス 武田 ◯太選手
宮崎出身のプロ野球選手。
エゲツないドロップカーブを武器に球場を席巻する人。
そのエゲツなさに"武田 ◯太選手のカーブは二度曲がる"と称されるほどに。
最近バットが当たってニュースになってたから心配。
●チベットスナギツネ
「おい!だれか俺の書いた小説に"いいね"しろよ〜〜いいね0件て…読んでる人多いのに…」
「読者の目がチベットスナギツネのように乾いてる〜〜乾いてる〜〜〜乾いてる〜〜」
「……すみません」
●サ◯ジ
「水原 さくら子……一つ覚えとけ。"私のいたずら"は許すのが友達だ」
「いや友達であっても許さないわよ。燃えた家具弁償しなさいよ」
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