これは謎解きの爽快感＋イヤミスの趣のある作品ですね。誰が嘘をついているんだろう？　と疑いながら読みはじめましたが、全員がそれぞれの嘘を抱えていたとは。それがラストにどう繋がっていくのか、最後まで興味の糸を手繰らずにはいられないストーリーでした。面白かったです。
　ミステリーとは別のところで、いじめが大きなテーマだったように思います。もし、彼らの間にその憎むべき行為が存在しなかったなら、皆、不幸にはならなかったのに。いじめは当人同士だけでなく周囲の人たちにも影響を及ぼし、なかには未来が変わってしまう人もいるのだろうなと、改めて考えさせられる物語でもありました。
『隣の部屋』へのレビュー、ありがとうございました。近況ノートにいただいたコメントへの返信でも書かせていただきましたが、改めて感謝いたします。文学を感じるなどと、身に余るお言葉をもらえたことを励みに、続きが書けるように頑張ります。