“たわわ”じゃないエイプリルフール
アオヤ
第1話
ニュースでは“巨大企業が社名の変更をする”と言う事が大々的に報じられたが・・・
それはエイプリルフールのフェイクニュースである事が更に報じられた。
株価が大きく変動して訴訟さわぎになっている。そんなエイプリルフールだ。
私は大場加奈子(28歳)OLです。
付け加えるならばGカップです。
最近感じる事だが、私の周りの男共は私の胸ばかり見てる様に感じる。
まるで私と話しているのか胸と話しているのか・・・
まあ〜 顔は古風な感じて樋口一葉似なんて言われたりするくらいだから、全く自信がない。
なんだか胸ばかり見る男共に最近嫌気がさしてきているが・・・
3年前のエイプリルフールに胸にサラシをまいて潰して会社に行った。
・・・そしたら、普段の私の胸は“ツクリモノ”という噂が社内でイッキに拡がった。
男共は“ツクリモノ”の胸には興味が無い様で私の胸と会話する事も無くなった。
今日はあれから三回目のエイプリルフール。
今日も気を引き締めていくよ。
なんでエイプリルフールにするか?
それはエイプリルフールは嘘ついてOKなので・・・
やっぱり嘘はイケないからね。
マズ〜 出社の時間!
いつもの通勤電車に揺られてると・・・
いつもなら私の胸をチラ見どころかガン見してくるオヤジが・・・
今日は全く見もしない。
「ヨッシャー!?」
会社に到着して、受付を抜けて上司と顔をあわせる。「おはようございます!」
いつもなら私の顔より先に胸に目がいくクセに、今日は普通に私の顔を見てくる。
「あぁ〜 おはよう!」
少しぎこちなく目がおよいでるような気がする。
私の作戦は成功かな・・・?
後輩の女子社員数人とすれ違い、私は自分のデスクに着き、仕事を始める。
休憩時間に給湯室の前を通ると
「今日加奈子先輩の胸ちっちゃくなってないですか?」
「たぶん、いつもかなり盛ってるんだと思うよ。」
「エッ?それじゃ普段が盛りすぎなんじゃないですか?」
というヒソヒソ話しが聴こえてきた。
私の作戦はここでも成功した様だ。
建物の裏手を一人で歩いてると・・・
「加奈子先輩、失礼ですけれど・・・ 今日潰してますよね!」
と不意に後輩の大谷新次に声をかけられギクッとした。
「エッ? 何言ってるの?」
「サラシをまいて潰してるんですよね?」
「苦しくないですか?」
「去年のエイプリルフールにもやってましたよね?」
「エッ?なんでそんな事わかるの?」
「実は大場先輩の事が好きでついつい目がいっちゃって・・・」
「今日はいつもより苦しそうな窮屈そうな感じがして・・・」
突然の告白に私は戸惑った。
「えっ? そんな? いつから私の事?」
「俺が入社して間もなくの頃、仕事でポカやってみんなに責められた時ありましたよね。」
「その時、大場先輩は文句も小言も言わずに手伝ってくれましたよね。」
「その時、“優しい人なんだな!”って思いました。」
「まあ〜 俺だけでなくてみんな平等にでしたけど・・・」
「ちなみに先輩の古風な顔も好きですよ。」
「へぇ〜 そんなに私の事、見ていてくれたんだ。みんな私の胸ばかり見てたから・・」
「スイマセン!大場先輩の胸も含めて好きなんです。」
「分かったわよ! ヨロシクね。」
「ところで・・・ この告白、エイプリルフールじゃないよね?」
「そんな冗談、こんな真顔で言えません!」
「よかった! 私ね、この名前母さんにつけてもらったんだけど・・・」
「“はやく嫁にいくようにこの名前つけた”って言い張ってるんだよ!」
「そういう事だから・・・ これからよろしくおねがいします。」
“たわわ”じゃないエイプリルフール アオヤ @aoyashou
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