最強(ドラゴン)の転生先は最弱(スライム)でした
転香 李夢琉
魔物の蔓延る森
第ー話 不幸と出会い
「なな、なんじゃこりゃーー!」
◆ ◆ ◆
わしは最強の
一三九九年生きたネームド
まさか、生涯名前など貰うことも無いと思っていたのじゃが……じゃがまあ、良い半年であった。せめてあと一年生きたかったの……どう考えてもきりが悪いではないか!
それは置いといて、わしが今どこに居るかというと……対ドラゴン用結界。翼には穴が空き、至る所から血が流れ出ている。おまけに左腕は無くなっておるの。
わしは長年生き、
なんとも便利な物よのう。これでわしの今の
「Salva i miei compatrioti――」
(これは……なんの魔法じゃ? わしに知らぬ魔法があるわけない!)
そして……詠唱が整い、魔法が発動した。一面に輝く
「せ、成功だ!」
一人の
「我々の勝利だ! 我ら
その言葉と共に歓声の勢いは更に増していった。……――
◆ ◆ ◆
「こ、ここはどこじゃ?」
まだ意識と視界が
「んん? 地面が……すぐそこにある……?」
視界が良好となった。
目の前に広がっていたのは地面だ。前に倒れればすぐ触れそうなぐらいの位置、目と鼻の先にあるのだ。見渡す限りの森、一匹が居る場所だけ不思議と木が生えていない。
「これは……いったい……ん?」
左を向くと、スポンジを置けば吸い取れそうなくらいの小さな水溜まりがあった。一匹はその水溜まりを恐る恐る覗いてみた。水に反射し映った一匹の姿は、あの美しく凜々しい『ドラゴン』――ではなく、
「なな、なんじゃこりゃーー!」
(わ、わしの身体が……スライム、じゃと……)
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