その後6
「今日、学校に行っていい?」
「ブフッ!」
「ウエー。汚いポヨー」
食事中に突然母親から告げられた内容に余は驚き、ご飯を吹き出してしまった。
それが妖精にかかってしまい、妖精は嫌な顔をする。
「べ、別に来なくていいんじゃないか?」
「そう?」
来てしまったらクラスの奴らが余に何を言ってくるのか分かったものではない。
あいつらは悪ノリが過ぎる時があるから会わせてはいけない。
「土曜日か日曜日に行けばいいのではないか?」
「う〜ん」
どうやら余の提案に納得していないようだ。
「章ちゃんのお友達に会いたいのに…」
余がいつの間にか章ちゃんって呼ばれているのかは置いておいて、なぜそんなにもクラスの奴らに会いたいのだ。
余が章ちゃんって呼ばれてるのもあいつらは笑うのだろうなぁ。
「いや、あいつらは会話をする事が出来ないから会ってもやる事ないかも」
「とんでもない嘘ついてるポヨ」
とんでもない嘘をついてでも余は母親に会ってほしくないのだ。
「そこまで言うなら行かないけど」
「うん、その方が良い」
余は母親の言葉に安心した。
「そんな事よりも」
余はすぐさま話題を変えて永遠にその話題が来ないように願う。
***
ホームルームが終わり、帰る準備を始める。
「章ちゃーん!」
「え…」
時が止まった。
余だけの時が止まった訳ではない、教室にいる全員の時が止まっている。
余の母親はそんな事はお構いなしに余に手を振り続ける。
余は母親のところに急いで向かった。
ガシッ
ところがクラスの奴がその行動を阻止した。
「おいおい何逃げようとしてんだよ章ちゃん」
「ちっ」
「お前章ちゃんって呼ばれてんだー」
「うるさい」
「「「章ちゃん章ちゃん章ちゃん」」」
「うるさい!」
だから嫌だったのだ。
こいつらなぜこういうのになると急に団結力を発揮してしまうのだ。
もっとちゃんとした事で発揮しろよ。
「どうして来てしまったのだ」
「今日はお友達じゃなくて先生に会いに来たの」
なんだそのトンチの効かせた回答は。
「大丈夫だってちゃんとほら、クラスに馴染めてるから。僕の心配は要らないから」
余はさっさと母親を帰らそうとする。
「こいつお母さんの前だと僕って言ってるぞ」
「うるさい!」
またこいつらは。
「宇野はお母さんの前だと良い子になっちゃうんだね」
「黙れ!」
「章ちゃん。お友達にそんな口聞いたらダメでしょ」
くっ、だから余は来てほしくなかったのだ!
「ほら、お友達の俺たちにごめんなさいしよっか」
「もう許さん」
「お、おい、逃げろ。宇野が怒ったぞ!」
そこから余とクラスの奴らとの鬼ごっこが始まった。
家に帰ったら母親に「良い友達が出来たね」と言われた。
本気で言っているのか?
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更新が遅れてすみませんでした。
今新しい作品を書いているのでストックが出来次第投稿をするので、その時は読んでくれたら嬉しいです。
よろしくお願いします。
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