九重菫エンド
なんだかんだあり、大学生にまでなっていた。
高校はうるさい奴が多かったおかげでしんどい思いをしていたが、大学はそこまでうるさい奴がいないから安心する。
「章ちゃん先ぱーい!」
余に手を振って近づいてくるのはここの大学に入って出来た後輩だ。
こいつが困ってるところをちょっと助けてやったら懐かれてしまった。
「こっちに来るな」
「きゃー怖ーい」
「お前はまた何しに来たのだ」
「えー、章ちゃん先輩に会いに来ただけですよ」
「お前も暇な奴だな」
余には彼女がいるからあまり余のところに来るなとは言ってるのだがな。
「ねぇ」
ゾクッ
噂をすれば…というやつだな。
「よ、よぉ授業はもう終わったのだな」
「はい、たまたま早く終わりました」
「じゃああれだな、昼ごはん食べに行こう。な?」
余は九重菫の肩を抱き、後輩から距離をとる。
いやいや、非常にまずい事になってしまったなぁ…。
「章ちゃん先ぱーい。また遊んでくださいねー!」
「うるせぇ!」
最後の最後で余計なことするなよ。
「お腹空いてるよな?近くに美味しいお店知ってるから行こう。な?」
「……」
あーあ、こりゃ完全に拗ねちゃってるな。
「あのー、ほら、いやー、…悪かったな。次からはちゃんと言うから」
「…はぁ〜」
そんな分かりやすいため息するなよ。
「知っていましたよ。宇野さんはかっこいいから好きになる娘がいることくらい。あと、優しいから相手に強く言えない事くらい」
これはギリ褒められているよな?
「だから私がちゃんとします」
しっかり者のところは変わらないな。
「いや、足りないところがあったらお互いが補っていこう。2人が頑張ろう」
「ふふっ、そうですね」
お互い初めてだらけだからな、ゆっくり進んでいこう。
「でも、浮気は許しませんよ」
こえー。
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