桜井莉緒エンド

 まだ眠い。


 いつからだろうこんなにも人間らしくなってしまったのは。


 いつもなら少し寝ただけで良かったのだがな。


「ん、ん〜。あれ、起きたの?」


 なぜか余の寝ている横に桜井莉緒も寝ていた。


 あまりに意外な事が起こっているから余は思わず飛び起きる。


「な、なぜお前がここにいるのだ!?」


「ど、どうしたの?」


「だからなぜお前がここにいる!」


 何をとぼけているのだこいつは。


「本当にどうしたの?昨日から一緒に住み始めたじゃん」


 …?


 あ、そうだった。


「悪い、まだ慣れてなくて」


「大丈夫。これから慣れれば良いから」


「本当に悪い」


「気にしてないって。ほら、朝ごはんの準備するから顔洗ってきて」


「ああ」


 これは悪い事をしてしまった、同棲し始めた次の日にこれは流石に酷い。


 あいつだから許してくれたのだろう。


 あいつの朝ごはんを食べながら反省をするとしよう。


 

 ***



 お、やはり桜井莉緒の作るご飯は美味しそうだな。


 あいつの作るみそ汁はすごく安心感がある。


「怒っていたりするか?」


「ん?さっきの事?」


「ああ」


「怒ってないって。変なところ気にするね」


「まぁお前が良いならいいのだが」


「うん。気にしてない」


 こいつが大人で助かった。


 だが、こんなのでは余の気が済まない。


 それに余が一緒に住む事を嫌がっていると思われていたら困る。


「おい」


「どうしたの?」


「ちゃんと大好きだからな」


「ふふ」


 桜井莉緒は椅子から立ち上がり向かいにいる余のところに走ってやってくる。


「私もー!」


「おいっ!」


 余も椅子に座っているのにも関わらず飛びついてきやがった。


「これからもよろしくね」


「ああ」


 

 


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