2年生編 第86話
宇野!?
何でここで宇野が出てくるのよ!
「あれ?何でママが宇野を知ってるの?」
確か、ママが怪人化してそれを倒し終わった後に宇野と話してたのは知ってたけど。
その後の交流なんかあるはずないのに。
「結構私から会ってるの」
「え?」
「あの子バイトやってるでしょ?そこに通ってるのよ」
へぇ、あいつバイトやってたんだ。
私のボランティアに結構付き合ってくれてたから暇な奴だと思ってた。
「あの子なら私も認めてげても良いわよ」
「何で宇野だったら良いの?宇野と何があったの?」
一体宇野とママに何があったらこうなるのよ。
ママって意外と頑固だから永野さんしか認めないと思ってたけど、宇野って…。
よりによって宇野って…。
「あの子と何回か話したけどあの子なら信用できるからよ」
「でも、あいつって子供っぽいよ?まともに会話も出来ないよ?」
そもそもママの宇野に対しての評価高くない?宇野はママに何をしたの?
絶対に猫かぶってたでしょ。
「いや、あの子は絶対に頼れる子よ」
評価高いなぁ。
「で、永野さんか宇野のどっちかなの?」
「ええ」
えぇ〜
何その究極の選択肢は。
もうどっち選んでも地獄じゃない。
「あと普通に宇野と話したいからうちに連れてきなさい」
「多分来ないと思うよ」
どうでも良いけど宇野は呼び捨てなんだ。
ママは私以外は誰だろうと呼び捨てにはしないはずなのに。
「いや、これは絶対よ」
「さっき多分って言ったけど絶対に来ないよ」
あいつが来いって言って素直に来るわけがない。
「そもそも宇野と話して何がしたいの?」
「ただお話しをしたいだけよ」
「じゃあ宇野のバイト先に行けばいいじゃん」
「最近私の顔を見ると厨房に引っ込むのよ」
めっちゃ嫌われてるじゃん。
ママ宇野にめっちゃ嫌われてるじゃん。
「じゃあお願いね」
***
こういった出来事が昨日起こったけどどうすればいいのよ。
はぁ〜憂鬱だ。
もしかしたら宇野と結婚しなきゃいけない可能性があるなんて。
しかも今日宇野をうちに連れてこなくちゃいけないの?
ムリムリムリムリ、100%ムリ。
あいつが私の言う事100%聞くわけがない。
私じゃなくても言う事聞かないのに、私の言う事を聞くわけないじゃん。
どうしよう…。
まぁ言うだけ言って断られてもしょうがないもんね。
「ねぇ」
「……」
「ねぇ」
「……」
「ねぇってば」
「……」
「聞こえてないの?」
「無視してるんだよ。分かれ」
何こいつ感じ悪いわね。
「無視してんじゃないわよ。返事くらいしなさいよ」
「お前が話しかけるといことは碌な事ではないからな」
「何よそれ」
「で、用が無いなら余はもう寝るからな」
「ちょっと!私の話を聞きなさいよ!」
「何だよ!用があるならさっさと言えよ」
「えー、今日家に来て欲しいんだけど」
「無理。以上」
「はやっ」
「なぜ余がお前の家に行かなくてはならないのだ」
「だってマ…、お母さんが来れてきなさいって言ったから」
危ない危ない、危うく宇野の前でママって言うところだった。
「お前の母親か…」
宇野は一気に嫌な顔をする。
私としてはそこまで来てほしくはないからどちらでも良いのよね。
「分かった。行ってやる」
「そうよね、無理よね。お母さんに伝えておく」
………。
あれ?行くって言った?
「…待って。行くって言った?」
「言ったが?」
え?
来るの?
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