2年生編 第71話
どうしたものかなぁ。
まさかこんな未来が来てしまうとはな。
余とあいつらは敵同士だったのだぞ?こんな未来誰が予想出来たのだ?
きっと神でも予想出来なかっただろう。
で、余はこれからどうすれば良いのだ?
全然あの2人に殺さられることもあるからな。
このまま余が答えを言わずにいたら2人は余を殺しに来ても誰も文句を言わないだろう。
うわー誰か助けてほしい。
普段の余だったら絶対に思わないが今の余には助けが必要過ぎる。
だから桜井莉緒の時に答えを出していたらこんなことには起こらなかったのだ。
あそこで桜井莉緒が止めさえしなかったら二股みたいなことは起こらなかったのだ。
だから桜井莉緒がこの出来事で全て悪い。
まぁだから今日は色々なことを考えるために1人で帰っているのだがな。
最近は1人になる時間がなかったからな、今日で答えは出ないと思うが、整理はしたい。
今日はなるべくいつもより多めの寄り道をして帰りたいと思う。
家に帰ってしまったら妖精が待っているからな、あんな奴がいたら考えたくても考えられなくなってしまうからな。
だが、問題が生まれてしまったのだ。
…いるのだ。
ずっと余の帰り道の跡をつけてきている奴がいるのだ。
余はすごいから誰なのかは見当がつく。
そんなことより余のことをすっごい見てくるな。
初めてだがこれがストーカーってやつなのか。
泳がすのも良いが、さっさと捕まえるか。
「何をしているのだ?」
「え、え?」
余の跡をつけていたのはクソ陰キャだった。
「さっきまであっちにいませんでした?」
「瞬間移動したのだ」
一瞬でクソ陰キャの背後に回ったのだから別に嘘ではない。
「で、なぜお前は余の跡をつけていたのだ?」
「いや、あの…」
そんなに言葉が詰まるということは悪いことをしていたとは思っているのだな。
「はぁ〜。そんなことをしていたらストーカーと間違えられるぞ」
あの行動は余がストーカーと言えばストーカーになってしまうからな。
「別に余の隣で歩けば良いだろ」
「え?」
「そんなコソコソしなくても堂々と余の隣を歩けば良いだろ」
「良いんですか?」
「そうしないとお前がストーカーになってしまうではないか」
「ありがとうございます!」
「おい!誰が抱きついて良いと言ったのだ!」
なぜかクソ陰キャは余に抱きついてくる。
会話の文脈を理解しろよ、余はこのままだったらストーカーと間違えられるから隣で歩けよ、とだけ言ったのだ!
「お前はいつも余を困らせやがって」
「ん〜♪」
ダメだこいつ。
***
「なぁいい加減に離れてくれよ」
「ん〜♪」
こいつは一体いつ離れてくれるのだろうか。
どんだけこいつは余に懐いているのだ。
あれ?
なんか嫌な予感がしてきた。
だけどこの流れはそうとしか言いようが無い。
怖い。
だが、可能性があるのなら聞いておかないといけない。
聞いておかないとこれからがややこしくなってしまう。
「なぁ」
「はい」
「もしかしてだが、本当にもしかしてだが」
「はい」
「お前って余のこと好きなのか?」
「はい。もちろん」
即答しないでくれよ。
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