2年生編 第45話
今度はお前がデカブツになるのかよ…。
なぜ魔法少女であるお前がデカブツになるんだよ。
お前はデカブツを倒す存在であって、倒される存在になってはならないのだ。
まぁ今回は余の出番は無さそうだからゆっくり教室に帰って行くとするか。
それにしてもメッカの奴、完全復活が近いとかどうとか言っていたな。
完全復活とは何なのだ?完全復活をしたらあいつはどうなってしまうのだ?完全復活の条件とは一体何なのだ?
まだまだ知らないことだらけだな。
今頃魔法少女どもは女神の奴にデカブツが出てきたと報告を受けているところだろう。
あ〜、あの教室に帰るのか…、あの教室は空気感最悪だから帰りたくないのだがな。
仕方ない、余がちょっと喝を入れて目を覚まさすか。
柊野葵1人がデカブツになったとしても魔法少女どもには何の影響もないだろう。
合体技は掛け算理論だからな、今まではゼロが一人いたから合体技が出なかったが、今回はゼロの奴がいないから合体技が使えるはずだ。
だから今回はいつも通りに勝つのだろう。
いつも余が魔法少女どもを助けているわけではないぞ、あいつらが魔法を使えなくなったタイミングであいつらが余を利用しているだけだからな。
余もなぜあいつらなんかに利用されるのだ、敵だと言う自覚をもっと持たないとな。
「おにいちゃーーん!」
ドンッ!
「いたい」
余に突進してきたクソガキは頭から来たから、クソガキは痛そうに頭を抱える。
当たり前だ、前はぶつかるのを知っていたから衝撃を吸収できたが、いきなりぶつかられてきたら何もできないからな。
「何をしている。ここは危ないぞ」
「おねえちゃんをたすけて!」
お姉ちゃん?
ああ、こいつら姉妹だったなぁ。
「助けてってお前なぁ、余は何も出来ないぞ」
「ううん!おにいちゃんはいちばんつよいもん!」
なぜこいつはそんな自信持っているのだ。
そっか、何回か偶然こいつを助けたことがあるんだったな。
「安心しろ。ほら、魔法少女どもが来たぞ」
丁度良いタイミングで魔法少女どもがデカブツを倒しに来た。
「ほら、魔法少女どもが来たからおねえちゃんを助けてくれるぞ」
不安そうな顔で余のズボンを握っているクソガキの頭の上に手を置く。
「だからそんな泣きそうな顔をするな」
よっぽどのことが無ければあの魔法少女どもが負けるはずがない。
だから余はクソガキと違って余裕の面持ちで魔法少女どもの戦いを見守る。
ーーーーーーーーーーーーーー
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ーーー
ー
あれ?なんか全然勝てなそうなんだが…。
嘘だろ、何がどうなっている。
あいつらは一体いつになったら合体技を放つのだ?
魔法少女どもは合体技を使わずにずーっと戦っていて、合体技を使おうともしていない。
「おい!さっさと合体技を使え!」
見かねた余は思わず魔法少女に向かって叫ぶ。
「宇野くん!」
「宇野っ!」
「宇野さん!」
「うわ、なんかいる」
金髪だけはすごく嫌な顔をする。
お前は後で覚えておけ。
「さっさと合体技を使え!」
「使えないの!」
使えない?
「なぜ使えないのだ!」
「あれ5人でしか使えないの」
5人でしか使えない?
あれ人数制限あるのかよ。
「だったら前みたいに3人のやつの合体技を使えよ!」
5人専用のやつではなくて、前に使っていたピンク、レッド、ブルーの3人の合体技があるはずだ。
これだったら倒せなくとも弱らせることは出来るだろう。
「あれは5人専用に上書きされたからもう使えないの!」
何だよそれ!どれだけ汎用性が無いのだ。
強力な技の代わりにやっかいな制約があるのだな。
「ん〜」
クソガキが余のズボンを引っ張る。
「おねえちゃんをたすけて!」
「悪いが余は助けられないのだ」
もう余は敵である魔法少女どもの助けにはならない。
こいつには悪いが柊野葵は助からないだろうな。
「ん!」
ん〜?
クソガキは何かの紙切れを余に見せる。
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