2年生編 第21話
いやー良かった良かった、新しい下僕を手に入れることができて余は嬉しいぞ。
これで余の王になる道はまた近づいてしまったな。
「王!私は今から何をすれば良いのでしょうか?」
お、王?こいつ余のこと王と呼んでいるのか?それにこいつ片膝ついているぞ。
そう言えばこいつのこと何も知らなかった、とりあえず名前でも聞いておこう。
「お前の名前は何だ?」
「私の名前は立花 叶です」
「そうか立花か、お前は余と学校が違うのか?」
こいつの顔は学校で見たことがない気がする。
「はい、違うと思います」
「そうか、それは残念だったな」
「安心してください、私はずっとあなたのそばにいますから」
こいつは何を言っているのだ?
「宇野章大!」
ビクッ!
な、何なのだ?急に余の名前を呼びやがって。
「な、何だ」
「ごめん。私頑張るから!」
「お、おう頑張れよ」
何だよ…それだけで余を呼ぶなよ、あと、最初から頑張れよ。
「王の名前を気安く呼ぶなんて…、私から言っておきます!」
「あー良い良い、あいつはそういう奴なのだ」
「なんという器の大きな方だ!」
こいつは大袈裟だなぁ。
「今日は立花の出番は無さそうだからもう帰ってよいぞ。必要になったらまた呼ぶからな」
今日はボランティアだけだからな、立花の出番は無いだろう。
「はい。呼んでくださったらすぐに飛んできます」
「ふむ、期待しているぞ」
「有り難きお言葉です」
そう言って立花はこの場から去っていった。
新しい下僕を手に入れることが出来るなんてこれは予想外の収穫だ。
佐々木と立花で最強の下僕軍団でも作っていくとするか。
さて、ボランティアの方をもう一度頑張っていくか。
「おい!ボランティアに戻るぞ」
「分かってるわよ!」
***
あれから1週間が過ぎた。
相変わらず金髪はそこまで出来ることが無く、ほとんど余がやっているが、確実に少しずつではあるが、成長している。
最初は文句を言っていて、出来そうに無いやつは最初から諦めていた奴が今ではとりあえず何でもやっている。
こいつの高すぎるプライドも捨てれてきている感覚がある。
まさかこいつが成長しているとはな、最初とは比べものにならないな。
あと、立花が余の高校に転校してきた。
いつでも余のそばにいたいからって理由で転校してきたらしい。
そんな簡単に転校ができるのかよ、学校もよく受け入れたな。
余が2回手を叩けば立花が余のところに飛んでくる。
余が何をしていても、間違えて2回手を叩いたしまえば立花が飛んでくるから、容易に拍手は出来なくなってしまった。
そして、今日も今日で金髪と共にボランティアへとやって来た。
「今日も頼むよー!お弟子さんも頑張ってねー!」
「宇野!明日はこっちに来てくれよ!もちろん弟子も連れて来いよ!」
「あまり宇野の迷惑をかけるなよ!」
かなりの日をボランティアしているから金髪の奴も皆に覚えられてきている。
これは目標達成までもう少しだな。
「今日も頑張っていくわよ!」
今日も金髪はやる気満々だ。
やる気満々はやる気満々でうざいんだよなぁ。
「弟子が命令するな!」
何を弟子の如きで余に命令しているのだ、こいつはまだまだ生意気だな。
「何しているの?凛」
後ろから40代くらいの女が話しかけた。
どうやら金髪のことを知っているようだ。
「ま、ママ?!」
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