2年生編 第12話
勘弁してくれよ、なぜこいつに友達が出来るまで余がこいつの手伝いをしなければならないのだ!
断りたい、自分ことくらい自分で頑張れと言いたい。
だが、また勝負を挑んできた時のように付きまとわれると迷惑だからな、余の家にまで来ていたからな。
「さっきも言ったがそもそも余はあいつらを友達だとは思っていない。だから余が手伝えることはない」
そう、手伝えとは言われたものの、学校の奴らを友達だとは思っていないし、中学までに友達がいたわけではない。
だから、余に手伝いを求めていること自体間違えている。
「あんたまた言うの?あんたのそれ聞くと本当にムカつく!何それ?私に自慢でもしているわけ?」
余はただ事実を伝えたはずがなぜか金髪にキレられてしまった。
「別に自慢をしているわけではない、事実を言ったのだ」
「私に喧嘩でも売っているわけ?あんたと私なんか性別が違うだけじゃない!」
別に喧嘩を売っているわけではない、それにお前が喧嘩を買っても余には一生勝てないだろ。
あと、そこまで余とお前は似てないからな、なぜこいつは余と似ていると思っているのだ?
「分かった、分かった、お前は友達が欲しいのだな?とりあえず今日は無理だ、明日だ、明日から手伝ってやるから」
とりあえず、先延ばしにしよう、とりあえず現時点ではこいつに友達は出来ないだろう。
それに余には友達を作る技術を知らない。
本当のことを言うと、断りたくて仕方ないが余の頭の中で計算した結果、断って永遠に付きまとわれるより、手伝ってさっさとこいつに友達が出来れば、余の優雅な2年生の生活が待っている。
「本当でしょうね?」
こっちが手伝ってやる立場なのに偉そうだな。
だから、お前はダメなんだよなぁ。
「本当だ」
「じゃあ、頼んだわよ」
「ああ」
は〜明日から地獄の始まりだ。
***
明日とは言ったものの、余には友達が出来たことがないから、友達を作る方法など知るわけがない。
簡単に出来ると思っていたが、困ったことになったかもしれない。
「あれ?宇野何してるの?」
後ろから声がしたから振り向くと高宮千沙がいた、おそらく部活終わりなのだろう。
「ちょっと帰るのが遅くなっただけだ」
「そうなんだ」
あれ?ちょっと待てよ、確かこいつも性格がキツかったよな?
なのにこいつは金髪と違って友達がいた、こいつと金髪の何が違うのだ?
「おい、一緒に帰るぞ」
「え?」
「何をしている早く来い」
「うん」
こいつなら知っているかもしれない、友達を作る方法を。
「宇野から一緒に帰ろうって言うの珍しいね。どうしたの?」
「ただお前と一緒に帰りたかっただけだ」
「え…、それってどういう意味?」
「言葉の通りだ」
良かったぁ〜、余だけでは無理だと思っていたから丁度良かった。
何か知らんがこいつも機嫌が良くなったし。
「お前ってどうやって友達を作ったのだ?」
「…友達?どうしたの?友達欲しいの?」
「余ではない」
「ん?じゃあ誰なの?」
あれ?あいつの名前って何だ?
「えー、金髪の女だ」
「金髪?宇野のクラスで金髪ってことは凛?」
「あー、そいつだそいつ」
あいつ名前凛って言うんだ。
「凛のために友達のこと聞いたの?」
「ああ」
「友達のことを聞くために私と一緒に帰ろうって言ったの?」
「ああ」
余がそう答えた瞬間明らかに高宮千沙の雰囲気が変わった。
「で、お前はどうやって友達を作ったのだ?」
「別に、自分で考えれば?」
あれ?こいつ怒っているのか?
「は?怒ってるのか?」
「別に怒ってない」
結構怒ってるな。
あー、もうめんどくせぇな。
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