2年生編 第7話
え?一体何が起きているのだ?
「お前昨日余に負けたではないか!」
「負けてない、まだ勝ちの途中だから!だから、私が勝つまであんたに勝負を挑み続けるから!」
うわ〜迷惑〜。
なぜ余の高校生活はこうなってしまうのだ、せっかく2年生になったら静かな暮らしができるとおもっていたのだが、なぜ余は変な奴に絡まれてしまうのだ。
「お前は余に勝って何がしたいのだ、余に勝っても何も得るものはないだろ」
「あんたに勝負で勝つことに意味があるのよ」
いや、ねぇよ。
こいつは余を何と勘違いしているのだ、余に勝っても経験値が入るわけではないのだぞ。
「そもそもなぜ昨日テニスで勝負をしたのだ。もっと自分の得意なやつで挑んでこいよ!」
わざわざ自分が下手くそなやつで挑んでくるというのが意味が分からない。
「あ…、うん…、そうよね、昨日はあんたに気を遣ってテニスにしてあげたけど、今回は私の1番得意なやつで勝負してあげる」
最初に変な間があったような気がしたが…。
「で、今日は何の勝負をするのだ?」
ここで断ってしまったらまたしつこく誘ってくるからな、また男子トイレに入ってこられても困るからな。
「今日は野球よ」
「野球?」
「そうよ、野球よ。私のボールをあんたが打ち返せたらあんたの勝ちよ」
「ちゃんと野球部に許可はとったのか?」
「……、先に外で待ってるから」
また許可とらなかったのかよ、これ余が許可をとるのかよ。
あと、外って言ったから余はテニスコートに行かなくてはならないのか?
あいつが言ったのだからな、外って言ったらテニスコートに決まってるって。
はぁ〜、グラウンドに向かうか…。
***
「よく逃げないで来たわね!」
「それ毎回言う決まりなのか?」
テニスの時も言っていたからな。
「そんなことどうだって良いじゃない。それより負ける準備は出来てるの?」
「それお前の方な」
なぜこいつは自信だけは一丁前にあるのだ。
「お前キャッチボールしなくて良いのか?」
そんないきなり投げれるわけがないし、怪我をしてしまうから準備をしたのかを聞く。
「私にそんなもの必要ないわ」
「怪我しても知らないからな」
せっかく余が優しくしてやっているというのに。
「そっちこそ怪我しても知らないからね」
余にボールを当てるつもりか?
「分かったから、さっさと投げてこい」
余はテレビで見たことがあるプロ野球選手の構えを真似る。
「じゃあいくわよ!」
金髪はマウンドから振りかぶって思い切りボールを投げた。
テンテンテンッコロコロ…
ボールは金髪の手から離れてちょっとしたら地面に着き、バウンドをしていたが余のところに着くころには転がっていた。
「おい、ふざけているのか?」
「ふざけてないわよ!こっちは真剣よ!」
「じゃあそっちの方が問題なんだよ!」
これが真剣だったらもう勝負ができないだろ。
「せめて届くと思っていたがこの程度だったとはな」
「うるさい!」
「代われ、余が投げるからお前が打て」
投げる方には希望が感じなかったから、打つ方がまだ希望があるだろう。
今思えばあいつの投げ方でもう分かっていたがな、あいつが投げれないことくらい。
「じゃあいくぞー」
「来なさい」
「ちょっと待て」
「何よ」
「バットを握る手が逆だろ!」
まさかそんなことも知らなかったとはな。
「あー違う違う、手の間が離れているだろ」
「足の位置も違うだろ、開くな」
「左肘も開くな」
「あと…
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
「じゃあいくぞ」
「うん!」
余は誰でも打てるように下投げで放る。
カキーンッ!
「当たった!当たったわよ!」
「ナイスバッティングだ!」
「「ワーイ!!ワーイ!!ワーイ!!」」
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