2年生編 5話

 嬉しそうに外に出て行きやがったが一体余はどこへ行けば良いのだ?


 一応外へは行ってはみるが、分かりにくい場所だったら勝負せずに帰ってやる。


 じゃあめんどくさいが頑張ってどっちが上か教えてやるとするか。














 いない、あいつどこにいるのだ?


 もしかしてあいつ余を騙したのか?あんな何日も勝負勝負と言っていた奴が余を騙すのかよ。


 もういいや、帰ろ。


 余を騙すために何日も勝負に誘ってくるとはな、そこだけの根性は認めてやる。


 あ〜今日の夕飯どうしようかな?


 昨日妖精の奴にゲーム負けてしまったから今日夕飯を作らないといけない。


 スーパーに寄って帰るか。


「あ!宇野くん!」


「宇野だ」


「宇野さん!」


「私たちも帰るところだったの!一緒に帰ろっか」


 あのプライド金髪女…絶対に許さないからな。




 ***


「あんたなんで昨日来なかったのよ!」


 次の日になり、余が自分の席で寝ていると、教室に入ってくるなり余の席の前までに来て怒りを余にぶつけてくる。


「それは余のセリフだ!お前がどこにもいないから余は帰っただけだ!」


「こっちはずっとテニスコートで待ってたんだから!」


「だったらテニスコートで待ってると言えば良いだろ!こっちもお前のせいで帰り道最悪だったのだからな!」


 帰り道にあいつらがいたせいで中々家に辿り着くことが出来なかった。


 それにあいつら結局余の家にまで来て、そして、あいつらは余の料理を食べていきやがった。


 妖精の存在を忘れていたからあともう少しでバレるところだったぞ。


「外って言ったら大体テニスコートに決まってるでしょ!」


「そんなこと初めて聞いたぞ!お前の中の世界のほとんどがテニスコートではないか!」


「そうよ、あんたとは生きてる世界が違うのよ」


「じゃあそれはうれしいな」


「なんでうれしいのよ!悔しがりなさいよ!」


 なぜ外のほとんどがテニスコートの奴の世界を羨ましがらなくてはならないのだ。


「で、もう勝負はしなくても良いのか?」


「そんなわけないでしょ!昼休み!今日の昼休みテニスコートで待ってるから!」


 そう言ってプライド金髪女は自分の席に座った。


 いや、そこは外って言わないのかよ。


 

ーーーーーーーーー


ーーーーーー


ーーー


ーー





「よく逃げないで来たわね!」


 昼休みになり、言われた通りテニスコートに来た。


「ちゃんとテニスコート使う許可取ったんだろうな?」


「……、どっちが先にサーブする?」


 おい、嘘だろ…。


 許可無くテニスコート使おうとしているのかよ、こいつにとってはただの外かもしれないが、テニス部にとっては練習場だから普通に怒られるぞ。


 はぁ〜終わったらちゃんと整備するか。


「お前からで良いぞ」


「フンッ、その選択後悔すると良いわ」


 流石の自信だな、自分からテニスで勝負を挑んできたのだから相当上手なのだろうな。


 余はほぼ初心者だが、まぁ勝てるだろ。


「じゃあいくわよ!」

 

 ボールを高く上げ、ラケットを振り抜く。


 ブンッ


 テンテンテンッ…


 ラケットはボールを空振り、下に落ちる。


「今のなし!もう一回!」


「早くしてくれ」


 もう一度ボールを高く上げ、ラケットを振り抜く。


 ブンッ


 テンテンテンッ…


 また同じ光景を見るとはな。


「もう一回!」


 ブンッ


 テンテンテンッ…


「もう一回!」


 ブンッ


 テンテンテンッ…


「もう一回!」


 ブンッ


 テンテンテンッ…


「もう一回!」







 





 こいつマジか。

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