第108話
さて、まずは拠点でも作ろうとしようかな。
やっぱりなんだかんだで一番拠点が大事だと聞くからな、誰が言ってたかは知らないが。
テレビで観ていた無人島生活をまさか余が本当にやるとは思わなかったな。
あれってお助けアイテムみたいな物があるのだが、こっちはガチンコだからなぁ。
まぁこっちは魔法があるからな、魔法があれば火も出せるし、風も起こせれるし、何とかやっていけるだろう。
余の場合は魔法が無くとも火も風も自力で起こされることが出来るがな。
こう思うと本当に余ってすごいんだな、普通の人間だったら絶対に出来ないからな、やはり余は完璧な存在なのだな。
それはさておき、今さっき飛んで他の場所に行こうとしたのだが、見えない壁ようなものでここから出られなかった。
もしかしたら、と思ったのだがやはり出られなかった。
ということは、本当にここだけでこれから生活をしなければならない。
少しだけあいつらが心配なのだが、まぁあいつら三人は多分大丈夫だろう、変身をしていなかったら危ないかもしれないが、変身状態だから死ぬことはないだろう。
心配と言ってもあれだからな、ここで死んでもらったら余のリベンジが果たせなくなってしまうからな。
余はあいつらをボコボコにしてから地球を征服して王になるのだからな。
それまでは死んでくれたら困ってしまう。
もうあいつらのことはどうだって良い、あいつらのことなんか考えるだけ無駄だ、自分のことだけを考えて生きていこう。
そうとなれば一旦、この無人島を散策でもするか。
***
今思ったのだが、余たちここに飛ばしたあのデカブツはどうなったのだろうか、今ここに魔法少女どもがいる。
ということは地球は今、フリーの状態になってしまっている。
これはメッカが地球を狙う絶好のチャンスである。
もしかしたらもう余たちは二度とここから出られなくなってしまうか、出られたとしてもメッカに地球を征服されているかもな。
まぁいざとなれば女神の奴が何とかするか。
「ふふふ〜ん♪ふふ〜ん♪」
余の少し前に桜井莉緒がなぜか鼻歌をしながら歩いていた。
もう気持ちを切り替えていたのか、あいつは本当にすごいな。
さすがの余でも楽しむ気にはなれないぞ。
やはりあいつはネジが一つか二つ、ぶっ飛んでいる。
もう帰れないかもしれないということを考えていないのか?いや、考えてないか。
考えていたらあんな楽しそうに出来ないからな。
「キャッ!」
桜井莉緒がぬかるみに足を取られて後ろに倒れそうになる。
すると、なぜか余は考えるよりも先に体が動いてしまっていた。
「おっと!」
なぜ余はこいつを助けてしまったのだ…。
「え…、ありがとう……ございます?」
なぜ敬語なのだ。
「あ、ああ、気にするな、次からは気を付けろよ」
これ以上関わるのを避ける為すぐに踵を返した。
思わず助けてしまったのだが、今は余とこいつは敵同士だから桜井莉緒にとってこの行動は意味が分からないだろう。
「ちょっと待って!」
桜井莉緒に呼び止められる。
「もしかして……
宇野くん?」
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