第107話
なぜかよく分からないがデカブツに変な所に飛ばされ、魔法少女と共にパニックになっていた。
「お前らは何か分かることはあるのか?」
「これのことか分からないですけど」
九重菫が何か知っているような感じで話し出す。
「魔法はかなり便利なもので、透明にもなれますし、分身も出せますし、別世界にも行ける、と女神様が言っていました」
透明と分身は知っていたが、別世界にも行けることが出来るのか、今度やってみよう。
「もしかしたらですけど、あの怪人化は攻撃をする前に一人になりたいと言っていたので、一人になれる場所のここに私たちを飛ばしたのではないでしょうか」
つまりあのデカブツは一人になりたくて、一人になれる場所をなぜか余たちが飛ばされたというわけか?
まぁ無くは無いとも言い切れないな、だが、今のところこれしか考えれないしな。
「当分は帰れないかもしれないな」
「なんで?空を飛んでいったら帰れるんじゃないの?」
「ここは地球ではないからだ」
「「え?」」
桜井莉緒と高宮千沙は余の言葉に驚く。
九重菫はおそらく気づいたのだろう。
「ここは何かしらの別次元のどこかなのかもしれないな」
詳しくは知らないが、地球ではないことは確かだ。
「何でそんなこと分かるの?」
「それくらいマナを使えばすぐ分かる」
「ということは帰れないの?」
「そうなるな」
「やばいやばいやばい、学校もバイトもあるのに」
「私もバレーがあるのに」
「どうしましょう」
「そんな元の世界のことを考える余裕はあるのか?見たところここは無人島っぽいからな、帰れる前に餓死するかもしれないな」
あのデカブツが一人になりたいと願っていたのならここに人はいないだろう。
もしかしたら死ぬことによって帰れる可能性もなくは無いが、限りなく低いだろう。
「そうか、私たちこれからここで過ごしていくんだ」
「やばい、生きていける自信がない」
「千沙さん!しっかりしてください!」
まぁそうなるだろうな、今まであった便利な物はもう無いのだから。
「じゃあ、悪いがこっちはこっちで勝手にやっていくから」
もうこいつらには用はないから余は一人で生きていく。
「ちょっと待ってください!」
九重菫が余を呼び止める。
「どこに行くつもりですか?」
「別にどこに行こうがこっちの勝手だろ」
余は構うこと無くここから離れていく。
余とあいつらは別にここで協力していく必要はない。
***
さて、一人になったのは良いものの無人島生活か〜、面倒くさくなるなぁ。
だが、一人になると仮面が外されるからそれは嬉しい。
これ、口のところに穴が空いていないから呼吸が苦しいんだよ。
だから早く一人になりたかったんだよ。
余としてはあいつらはここで力尽きて欲しいところだが、あいつらは中々しぶといからな。
なんだかんだで生き抜いていけるだろう。
はぁ〜余も頑張るか。
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