第106話

 魔法少女と戦おうとした瞬間にデカブツが現れ、どっちがそのデカブツを倒すかで争っていたらデカブツの攻撃が当たってしまい、次に目を開けたら一面に海が広がっていた。


 


 は?


 デカブツの攻撃が当たったところまでは理解出来るが、目を開けたら一面に海が広がっているのが意味が分からない。


 なぜデカブツの攻撃が当たったらこんな場所に飛ばされるのだ?


「え?ここどこ?」


「ちょっとやばくない?」


「二人とも落ち着いてください」


 横を見るとどうやら魔法少女どもも余と共にここに飛ばされたようだ。


 こいつらも焦っている様子からこいつらのせいではないことは分かった。


 どちらかと言ったらこいつらのせいだったら今ここで倒して、元の場所に戻ることが出来たのだがな。


 違うとなると、これは面倒くさいことが起きそうだ。


「あ!ナイトメア!あんたがやったの?」


 高宮千沙は余がいることに気づき、余がここに飛ばしたのかを怒りながら聞いてくる。


 まぁ、余とは敵だから疑うのは当然だな。


「そんな訳がないだろ、こっちも飛ばされた側だ」


「嘘ついてないでしょうね?」


「別に今ここで倒しても元の場所には帰れないぞ。それにパニックになっているのはお前らだけではない」


 今言った通り余も今はパニックになっている。


 あまりにも突然のことで余もパニックになっている。


 本当に意味が分からない、なぜデカブツの攻撃を受けて意味の分からないところに飛ばされたのだ?


「本当にあんたの仕業じゃないでしょうね?」


「こっちもまだ頭の整理が追いついてない」


「千沙ちゃん、ナイトメアも巻き込まれた側なんだと思うよ」


 おい、桜井莉緒、お前名前を出すなよ、パニックなって名前を出すなよ。


 お前ら一番最初にやっていた失敗をしているではないか。


 懐かしいな、だからこいつらが余と同じクラスメイトだと知ることが出来たのだ。


「莉緒さんの言う通りですよ。ナイトメアさんも巻き込まれた側なんですよ」


 こいつも名前を言っているではないか、それに敵なのにナイトメアにさんを付けているではないか。


「莉緒と菫はすぐに信じすぎだよ!こいつは地球を征服しようとしていた奴なんだよ!」


 あーあ、こいつはとうとう二人も名前を出しやがった。


「お前らいい加減にしろ。お前ら自分たちの名前を呼びすぎだからな」


「「「へ?」」」


 三人は同時に驚く。


 こんなことを余に言わさないでくれよ、敵なんだぞ。


「言ってました?」


「がっつり言ってた。お前が莉緒、お前が千沙、お前が菫だろ」


 これを聞いた三人はコソコソと三人だけの作戦会議みたいなものを開いた。


「やばくない?」


「女神様に怒られるのかな?」


「これはまずいですね」


 三人は少しの時間コソコソ話し合って、どうするのかを考えているようだ。


「あの〜?さっきの聞かなかったことに出来ますか?」


 話し合った割にはそれかよ、なぜ余が聞かなかったことにしなければならないのだ。


「分かった、分かった、聞かなかったことにしといてやるよ。次から気を付けろよ」


 別にとっくに知っていたから興味はない。


 


 あーもう帰りたい。

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