第102話

 終わった…やっと。


 あの本当に映えスポットを4か所回ったからな、時間的には厳しかったからな。


 あと、映えスポットを優先していたから昼飯を食べる時間を削ったのだ。


 映えスポットの方を一か所減らすのが普通なのだが、明日でも明後日でもいつでも昼飯は食べれるというめちゃくちゃ理論で昼飯を削ったのだ。


 だが、もう良い。


 なぜならあとは担任の教師が出る演劇を観るだけだからな。


 観るだけだから何も疲れることはない。


 だからもう余の文化祭は無事に終わったのだ。


 今思えば良く頑張ったよ、桜井莉緒、高宮千沙、九重菫、この魔法少女と共に文化祭を過ごしたのだからな。


 今は体育館にいて、あと十分くらいしたら演劇が始まる。


「あ、宇野くんと菫ちゃんだ!」


 桜井莉緒と高宮千沙がやってきた。


 演劇はあの三人と観る予定で、余と九重菫は元々一緒にいたが、桜井莉緒と高宮千沙は仕事をしていたから今合流した。


「莉緒さんと千沙さん仕事お疲れ様です」


「いや〜疲れたよ〜」


「莉緒は頑張りすぎ」


「え〜そうかな?」


「そうだよ、ちょっと手を抜くぐらいが丁度いいんだから」


「だけど一生懸命なのが莉緒さんの良いところですから」


「菫ちゃーん」


「わ、急に抱き付かないでくださいよ!」


 本当に仲良いなこいつらは。


 これがガールズトークと言うのか。


 あと、お前ら余と態度が違い過ぎだからな。


 桜井莉緒は九重菫に抱きついていたが、余には逆に余が桜井莉緒に抱きつくようにしていただろ。


 高宮千沙は余と一緒にいる時と違って緊張はしていない。


 九重菫は桜井莉緒に急に抱きつかれて嫌な反応をしたが、お前はそれを余にやっているからな。


 なぜそこまで余と態度が違ってしまうのだ。


「あ〜ドキドキしてきました」


「菫ちゃんは鈴木先生のことが好きだもんね」


「ずっと楽しみにしてたもんね」


 何回も言うがあの仕事押し付け担任のどこが良いのだ、余は王だぞ。


「あと3分で始まりますよ!」


「落ち着いて菫ちゃん」


「こんなにテンション高いの珍しい」


 そんな訳あるか!余といる時はもっと変なテンションだぞ。


 にしてもずっとソワソワしているな、何もしなくても劇をやるのに。




 ピリッ



 全く、本当に良いタイミングで現れるな。


 いつもいつも狙っているのか?と思うほどタイミングだな。


 このままいけば魔法少女どもは怪人化したやつを倒しに行くのだろう。


 あともう少しで女神の奴が魔法少女どもに伝達をするのだろう。


 もしかしたら最初の30秒くらいは観れるかもしれないが、最近怪人化したやつが強くなってきているから倒すのに時間がかかってしまう。


 それと現場に向かうのと帰る時間もあるから、劇を最後まで観れるか分からないな。

 

 楽しみにしていたが残念だったな、劇はまた来年になるな。

 

 

「あと1分♪あと1分♪あと1分♪あと1分♪」



 はぁ〜


「トイレ行ってくる」


「え?もう始まるよ」


「すぐに帰ってくる」


 余はトイレに向かわずにマナを感じ取ってある奴を探す。


 そしたらよく分からない物体がふわふわ浮いていたからそいつを鷲掴みをした。


「おい、待て」


「ポヨ?!」


「女神の奴に怪人化は余が暇つぶしに倒してやると伝えろ」


「何が目的ポヨ!そんなこと信じる訳ないポヨ!」


「分かった、今ここでお前を潰す」


 余はこのよく分からない生物を握り潰そうと力を少しずつ力を入れる。


「分かった、分かったポヨ〜。だから離してポヨ〜」


「ちゃんと伝えておけよ」


「はいポヨ!絶対に伝えるポヨ!」


 妖精はパッと消えて、女神のところに向かった。


 トイレにしては時間がかかり過ぎて怪しまれてしまうから分身を魔法少女のところに置いておく。


「おい、別に何もしなくて良いからな、劇を観ているだけで良いからな」


 余の分身は黙って頷く。


 こいつは本当に便利なんだよな。


 さて、向かうか。


 今までは生身で戦って、全く全力ではなかった。





 今回はナイトメアだからな、少しは楽しませろよ。

 


 

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