第95話
「私たちに無いのは不公平ではなありませんか?2人もそう思いますよね?」
「そーだ!そーだ!私たちにも渡せ!」
「美紀ちゃんが良くて私たちがダメな理由が聞きたい」
ガキは母親が無理矢理連れて帰っていってくれた。
あのガキが帰っていってからずっとこんな感じだ。
余があのガキになんでもする券をやったから魔法少女どもはずっと余にこんな風に訴えている。
「うるさい!お前らは何歳だよ!」
あんななんでもする券くらいでこんなガタガタ言いやがって、めんどくさい奴らだな。
「はーい、年齢なんか関係ないと思いまーす」
九重菫がわざわざ手を挙げて反論をしてくる。
「「そーだ!そーだ!」」
それに2人は同調してくる。
「お前らの意見など関係ない、余はあいつが子供だからあれをやったのだ。それにあいつは誕生日だったからな」
「私たちの誕生日には何もくれなかったですよね?」
「「そーだ!そーだ!」」
「お前たちに誕生日などあったのか?」
「あるに決まってるじゃないですか!」
「「そーだ!そーだ!」」
「うるさい!お前らが何を言おうとお前らには何もやらん!」
桜井莉緒は元々うるさい奴だったが、高宮千沙と九重菫は会った時から今に比べたらうざさが変わっている。
桜井莉緒は世話焼きだから分かっていた。
だが、高宮千沙は最初は余を変人扱いして、次は余と会ったらケンカして、今は目立ちはしないが桜井莉緒と九重菫に同調している。
九重菫、こいつが一番変わっている。
最初会った時は本当にあんな感じではなかったのだ、あいつが一番変わったのかもしれないな。
余の願いが叶うのなら最初に会った時に戻りたい。
こいつらとは関わりすぎてしまっているのかもしれないな。
「ねぇ、良いじゃないですかぁ〜」
「ええい、引っ付くな!」
九重菫がまた余の腕に引っ付いてきた。
お前が一番大人だと思っていたが、一番お前が子供だったとはな。
「私も」
「じゃあ私も」
「ええい、お前ら引っ付くな!」
また最初の状況に戻ってしまった。
「もうこのまま教室まで帰えります」
え?
「ちょっと待て」
こいつこのままの状態で教室に帰ると言ったか?
「考え直せ!こんな状況お前らも見られたくないだろう?だから、な?」
こんな状況クラスの奴らに見られたらバカにされるに決まっている。
クラスの奴らも最初は余を変人扱いしていたが、最近は妙に余に構ってくるかな。
だから、どうしてもこの状況をクラスの奴らに見られたくない。
しかも、その中に下僕が混じっている、こんなところを見られたら王としての尊厳がなくなってしまう。
「え〜、どうしましょう?」
九重菫は余の焦りを見て、余を煽ってくる。
「どうする?みんな?」
「私たちは別に見られても恥ずかしくないし」
「全然これで私は良いし」
ふ、ふざけんじゃねぇよ、なぜこいつらこれを見られて平気なのだ。
「お前ら、冷静になれ!一時的な感情に任せるな!」
「私たちは至って冷静です。さぁ、どうします?」
これは一見交渉に見えてしまうが、これはただの脅しだ。
なぜならあいつらには何もデメリットがない。
それに比べて余は、この状況を見られてもデメリット、こいつらになんでもする券を渡してもデメリット。
いや、どっちかはマシであってくれよ、ただどっちの地獄を選ぶかを考えるだけではないか。
どちらがマシかなんて今の余には想像なんて出来ない。
本当に嫌さで言ったら半々なんだよなぁ。
強いて言うならこいつらの願い事次第なんだよなぁ。
はぁ〜覚悟決めるか。
「分かった、お前らの言うこときいてやるよ」
「え?本当でs?」
「ただし、お前らで3人で一つな」
せめて、一人一人の願いを叶えて三つの願いを叶えるよりかはこちらの方がダメージが少なくて済む。
「ケチ〜」
「嫌だったら別に良いんだぞ」
「どうします?」
「私は別に良いよ」
「私も」
「決まったならさっさと離せ」
魔法少女どもは約束通り余から離れていった。
やっと余の身体が自由になった、もう身体が軽くて仕方ない。
魔法少女ども見ているとなんか、キャッキャッとはしゃいでいるのだが、何がそんなに嬉しいのだろうか、余には全く分からない。
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異世界に転生したからチートで無双してモテモテな異世界ライフ! ……って思ってた時もありました
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