第87話
掴めたかもしれないぞ、新たな敵の情報を。
これでやっと出会えるかもしれないな、余が魔法を使えれるようになったのもそいつのおかげだからな。
感謝してもしきれないほどなのだが、余が王になるには邪魔な存在だから倒さないといけない。
余をこの存在にしてくれた奴を敵だと思うのは辛いことだが、仕方ないことだ。
なぜかは分からないがデスゴーンとは共に行動していないから今が叩き時ではある。
「じゃあまたリレーになったら呼びに来るからな」
「え、また俺縛られるのか?」
「当たり前だろ」
こいつはもう16回くらい逃げ出そうとしていたからな。
「じゃあ大人しくしておけよ」
「ん〜ん〜ん〜」
「うるせぇ」
本当にこいつはうるさいな、いい加減諦めろよ。
バンッ
余は佐々木をロッカーに入れる。
「ん〜ん〜ん〜」
ロッカーの中でも佐々木は悪あがきをしている。
今は体育祭だから校舎の中には誰もいないから意味のないことをしている。
安心しろ、さっきも言ったがリレーの時になったら解放してやるから。
外がまた騒がしくなってきたということは昼休憩が終わり、再開したということだな。
余は全体が見やすいところへと行くとするか。
見やすい場所へと移動し、腰を下ろす。
「あ!いたいた。宇野くん」
ん?
声のする方向を見ると担任の教師が余の方へと走って来ていた。
「佐々木くんは大丈夫なの?リレーに間に合うの?」
「焦るな、佐々木のことは心配するな、余が何とかするから」
「本当?」
「余は嘘つかん」
「ありがとう〜。さすが宇野くん。信じてたよ〜」
「ええい、引っ付くな」
余は担任の教師を引き剥がす。
「で、佐々木くんはどこにいるの?」
「教室に閉じ込めている」
本当は教室の中にあるロッカーに閉じ込めているがそこは黙っておくとしよう。
「大丈夫?それ」
「多分大丈夫だろう」
あんな狭いところにずっと閉じ込めているから大丈夫とは言えないな。
「うちのクラス委員長は優秀過ぎる〜」
「お前な、余をクビにしたり、また戻したりするのやめろよな」
「それ私じゃなくて他の先生たちが言ってくるのよ。宇野くんも嘘で良いから大人しくしてよ」
「余は嘘つかん」
余は自分にも嘘をつかないからな。
「自分に素直過ぎるよ」
「なんかお前は生きづらそうだな」
「ううん。私はね今が楽しくて楽しくて仕方がないの。それも全部宇野くんのおかげ何だよ、あの時宇野くんが私を助けてくれたから今の私がいるの」
あれ?バカにしたはずなのになぜかこいつに感謝し始められてるのだが、どういうことだ?
「あの時教師を辞めてたらただ生きてるだけの人生になっていたも思う。忙しくても楽しいから出来るんだよ。ありがとう」
ん〜〜〜〜
何だよ何だよ、急にどうしたんだよ。
「知るか、知るか、知るか、今のお前がいるのはお前が頑張っただけだろ、余のおかげにするなよ」
顔が熱い、前も向けない、身体がホワホワする。
何だよ、夏休みのボランティアの成果が何も出ていないではないか。
余は夏休み何をやっていたのだ。
もしかしてただ人間たちにボランティアをしただけなのか?
それだったら余はショックで立ち直れないぞ。
「とりあえずリレーの時には佐々木を
ピリッ
おい、嘘だろ、今かよ!?
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異世界に転生したからチートで無双してモテモテな異世界ライフ! ……って思ってた時もありました
という作品も書いているのでぜひ見てください。
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