第57話
一体余はいつ寝ることが出来るのだ。
さてと今回も余の素晴らしいところを見せつけてやるとするか。
おっとと
立ち上がろうとしたら立ちくらみをしてしまったがなんとか耐えた。
一度でも気を緩めてしまうと横になって眠ってしまいそうになる。
というかここはどこだ?
横になれる場所を探すために色々歩き回ったせいで学校のよく分からない場所に来てしまった。
まぁあのデカブツのいるところに向かえば良いだけの話だ。
ここ良い場所だな、またサボりたい時にここに来るとしよう。
でも、ちょっとだけ寝よっかなぁ?
もう余は二徹だからな、2回も夜を寝ていないんだからな。
あと一回寝ようとしていたから、もうやる気がOFFになっている。
一回やる気がOFFになると中々ONにはならないから、余は行くか行かないかを迷っている。
「「「スーパースマイルスプラッシュ」」」
ドガーン
お!今回は合体技が出たみたいだな。
だが、音を聞いただけで分かってしまう、これではデカブツは倒せないな、と。
なんか余が合体技のソムリエっぽくなっているがそんな良いものではない。
今回は合体技が出ただけでも褒めてやっても良い。
過去2回は弱いどころか出なかったからな、成長はしているな。
しょうがない、行くとするかな。
***
「おい、そこどいてろ魔法少女。あのデカブツは余に任せておけ」
「宇野くん」
「宇野」
「宇野さん」
揃いも揃って毎回何をやっているのだ、魔法少女どもは。
それにしても今回は特に大きなデカブツだな。
さてと今回もサクッとデカブツの中の奴を救い出してやるか。
なんだよ、デカブツの中にいる奴は担任の教師かよ。
ということは今回魔法が出せなくなってしまったのは九重菫ってところだな。
あいつはなんかあの教師のことを崇拝していたからな。
意味が分からない、あいつのどこが良いというのだ。
「宇野くん。気を付けて。今回は特に大きいし、強いよ」
「見れば分かる」
今回はナイトメア無しだったら流石にキツそうな気はしている。
だが余は行くしかないのだ。
ドンッ
地面を思い切り蹴って、デカブツへと突進する。
バンッ
が、呆気なく弾き飛ばされてしまう。
ダメだ、今日の余は三分の一の力しか出せなくなっている。
余が空中にいる時間がだいぶ長く感じてしまう。
二徹が無ければこんなやつ一瞬で倒している。
あーだこーだ考えている暇は今は無い、攻撃あるのみだ。
「宇野。無理しないでよ」
「余に心配は不要だ」
余より弱い奴に心配されるとはな、余もまだまだだな。
ドンッ
もう一度デカブツに向かって突進をする。
バンッ
ガシャーン
金網に飛ばされ、そこまで吹っ飛ぶことはなかったが、ダメージは蓄積されていく。
こんなダメージはいくら蓄積されようとも同じなのだが、何より眠たい。
「宇野さんばかりごめんなさい。やっぱりあの怪人は私たちがなんとかします」
「おい、余があいつ如きを倒せないとでも言いたいのか?」
「だけど」
「お前らはそこで黙って見ておけ」
とは言ったものの、二徹プラス今までのやつより強いとなると今回は厳しいのかもしれないな。
だが、余が余である以上負けることなんかありえない。
弱音を吐いている暇があればあのデカブツをどう倒すか考えろ。
考えろ〜考えろ〜考えろ〜
あれ?あまりに自然で忘れていたがなぜ余は敵である魔法少女に協力しているのだ?
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異世界に転生したからチートで無双してモテモテな異世界ライフ! ……って思ってた時もありました
という作品も書いているのでぜひ見てください。
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