第36話
あ〜イライラする。
なぜ余があんな言われ方をされなければいけないのだ。
もしかしてそれを言うためにわざわざ余を探しに来たのか?
それだったら余計にムカつくな。
あいつら合体技を出せないでいたからてっきり余に助けを求めてきたのだと思ったのだが、あいつ余に一歩も動くなと言いに来たのだ。
いずれ王になる余があんな小娘に命令されたのか?
あの女余に邪魔するなと言ったか?
本当にムカつく女だよ。
だが、残念だったな。
高宮千沙、お前の思い通りにはいかせないからな。
「おい、高宮千沙。残念だったな、今から余が井上美咲を引きずり出してやるからお前らの活躍は余が奪ってやる」
「待ってよ、それだけはやめて」
「余に命令するな」
見たかあいつの顔を、必死に余を止めようとしていたぞ。
ふ、悔しいだろ?余がお前の友人を引きずり出してやるのだから
魔法少女の活躍の場を奪ってお前らの悔しがる顔を眺めるとしようか。
「おい、桜井莉緒、九重菫。お前ら邪魔だから退いてろ」
あのデカブツと戦っている桜井莉緒と九重菫が邪魔だったから大声を出してあいつらを退かせる。
「宇野くん」
「宇野さん」
あいつらは余が魔法少女の活躍を奪うとは知らずにあいつらは笑顔で余を見る。
お前らはまだ知らないだろが、余はお前らの活躍を奪おうとしているのだぞ。
ああ、見える、余が活躍してお前らが悔しがる顔をしているのを。
さてと、やりますか。
今回のデカブツは空を飛んでいる、だからジャンプして、空中にいる間しかチャンスはない。
余はデカブツに飛びつくため助走距離を確保する。
今は屋上にいるから助走をして柵を利用してそのまま走り幅跳びの感じであいつに近づく。
バンッ
ドンッ
近づこうとしたがデカブツの腕が余を襲い、思い切り地面に叩きつけた。
いってぇな、王に攻撃するとは良い度胸ではないか。
王に傷をつけるとどうなるのか身をもって教えてやる。
「宇野。大丈夫?無理しないで」
「余に心配は不要だ。お前らは黙って見とけ」
高宮千沙は余に声をかけてくる。
余には分かるぞ。
私たちがやるから弱い宇野は無理しないで、という意味だろう。
舐められたものだな、余は王だぞ。
もう一度あいつに近づくためにしゃがんで勢いをつけて思い切りジャンプする。
バンッ
ドンッ
だが、また同じように地面に叩きつけられた。
「宇野くん、大丈夫?私たちと一緒に戦った方が良いんじゃない?」
「うるさい、お前らの手など借りるか」
くそ、こんな姿を魔法少女どもに見られるなんて屈辱的だ。
余はもう一度ジャンプしてデカブツに飛びつく。
バンッ
また弾き飛ばされてしまったが次は国旗を掲げるためのポールに向かって飛んでいく。
こいつを使おう。
余はポール掴んで、飛ばされてた勢いを生かして大車輪をする。
ぐるんぐるんとすごい勢いで回って、余は手を離し先程とは比べにならないほどのスピードでデカブツに突っ込んでいく。
デカブツは余に反応できずに、余はデカブツのスライム状の中へと入っていく。
そして井上美咲の過去が余の頭の中へと入ってくる。
なぜこいつ過去なんか知らなくてはならないのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます