ストーリー構成と要素の話

 こんにちはO3です。


 かれこれ語り続けて五話(始めにを入れないですると四話)になりました。

 そして今回もお付き合い頂けることに感謝しかありません。ほんとありがてぇ……。


 今回はあれです。根本的なアイデア出しについてですね。


 前回、大まかな世界観はぽっとでてくると申しました。


 たぶんここは皆同じだと思います。

 このジャンル、こんなのが書きたい!という気持ちで皆さんこうしてサイトなどを利用して書かれているわけですから。

 なのでこの部分は特に説明しません。


 では、どこを説明するのかと。


 無論、その後の事です。


 私の場合、大きい流れなんかは出てきます。世界観と同じタイミングくらいでですね。


 じゃあ細かいことも意識せずポロポロと出てくるのかと。


 答えはノーです。


 考えます。ええ、悩むこともありますとも。

 この辺りになってくると考えるものはとことん考えます。

 というか最初の世界観もそうなんですが、構成は徹底的に論理建てて考えておかないとダメです。話の辻褄が合わなくなってくる原因にもなります。


 昔はよくありましたね。

 ここでこいつ主人公と話してるけど、前の話でどっかいってんじゃん!……って感じのこと。

 いやぁ、だいたいは書いてる時に気づけてよかった。読み直しもほんと大事。

 あとは一人称とかのブレ、時系列の混同、描写の違和感などなど……。あげればあげるだけ出てきますよ、たぶん。


 悩むというか、こうなるともう考えざるを得ないですね。何事も上手くやりたきゃ脳みそを使えということです。


 じゃあ、構成を考えるために必要なものってなんだってなりますよね。


 思考の型とか、柔軟性とか……そういうのはあるとは思います。


 しかし、それよりも構成の基礎を作り上げているものは「要素」です。


 基本この創作論を読んでいる方々というのは自分の世界をテーマに書いている方々が多いと思います。俗に言うオリジナル作品を作っている方々。


 でもわたくし思っていることがあるのです。


 作り話において完全無欠のオリジナルの作品というものはありません。



 はい、えっ?って思われる方もいるでしょう。


 そりゃそうですよね。急に言われてもわけわかりませんよね。自分だけの話って思ってい書いているのに、それはオリジナルじゃないって。


 あ、決してパクリだ!って非難するわけじゃないのでご安心を……。


 というか、わたくしもそうなんだし。


 なぜこの考えに至ったのか。

 それはネット小説界に蔓延る異世界転生ものです。


 後のストーリーや、主人公の設定なんかは違えど基本の型は似たようなものでしょう。現実世界で生を終え、驚異的な能力を手に入れ新たな世界でセカンドライフ(?)を歩む。


 この型、異世界転生を生み出した先駆者の作品はオリジナルと言ってもいいかもしれません。


 が、異世界という設定はそうではないでしょう。この人が異世界の概念を作った訳ではありませんよね。その異世界と言う概念を作った人がまたいるかもしれません。


 しかし、その異世界の概念を作った人、あるいは現象もその元となる要素があるわけで……………という感じで永遠と続いていきます。

 最終的には変哲もないネット小説がほんとはるか昔の神話なんかにたどり着いてしまうかもしれません。でもその神話もなにか元になったことがあるかもしれない。


 何が言いたいのかと申すと、作品というものは別の作品や現象なんかのオマージュを繰り返してできるってことです。

 小説だけではなく、音楽も、絵も。

 創作物全般がそうと言えると思います。絵は一番顕著に出やすいのでわかりやすいですね。絵柄ってやつです。


 神話の例の通り、この思考というものは延々と続けられて終わりがないものです。

 それに普段からこんなこと考えながら作ってる人いないでしょうね。よっぽど考えるのが好きな人くらいでしょう。


 我々創作者はこれを暗黙の前提として、知らず知らずのうちに創作を続けているわけです。


 で、この話が今回のテーマにどんな関係があるのか。


 作品はオマージュを繰り返したようなものと言いましたね。


 オマージュというのは、簡単に言えばほかの作品の要素を自分の作品に取り入れるということです。

 これを繰り返していくうちにどんどん色んな話の要素が積み重なって複雑に絡み合ったり要素がそげていったりします。


 なのでどんどんその要素は断片的になって元の作品のイメージが掴みにくくなります。

 それに他の作品も混じってくるので余計ですね。


 想像しやすいのは料理でしょうか。

 料理も材料を見せられたらこれが入っているってのはわかりますが、食べただけでどんな調味料とかが入っているのがわかる人ってのは中々いません。


 こういう結果から我々は創作物を完全無欠のオリジナルと作品を錯覚しているのです。

 そして要素が多ければ多いほどその傾向が強くなります。


 要素というものがあればあるほど、話の分岐を作ることが可能になります。そして、またその分岐を統合したり変えてみたりすることで洗練され、唯一無二の展開が完成する。


 このように要素というものは構成に関しても、オリジナル感を出すのにも関しても重要なものなんですね。


 で、この要素というものは言い換えが可能です。


 要素は「知識」です。


 要素は私たちの理解のうちのものでしか出てきません。


 異世界転生の話を書いている方も、この異世界転生という要素を知っているから取り入れたわけです。そして、そこにまた別の要素、チートや悪役令嬢。これ以外にも沢山あります。人間に転生しなかった例もありますよね。チートがない例もある。

 無論、この要素も全く知らなかった訳じゃないでしょう。どこかで聞いたことある、読んだことあったはずです。案として出てくるということは少なくとも脳内のどこかに要素が入っているということです。

 人間何も分からないところから何かを作るのは無理ですからね。


 まあ、ここまでの経緯を簡単にまとめますと、話を作るためには要素が必要で、その要素を沢山出すためには単に自分の知識を増やせばいいんです。


 知識といってもそんな難しいもん覚えろとかではありません。この場合は知識と言うより経験の方がしっくり来るかもしれませんね。


 これもまずは他の作品に触れることから始めればいいと思います。話のハウトゥー本よりは分かりにくいですが色んなものに一気に触れる点ではそっちより優秀です。

 自分が専門にしているジャンルから離れてみてもいいかもしれませんね。別の発見があるかも。

 これ面白いなぁって思うことがあればぜひ頭の引き出しにしまっていってください。役に立つ日がいつか来ます。


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