1-1 依頼、人探し
GM:さて。依頼の本題は人探しですね、ハールーン魔術研究王国の王都からこちらにやって来ていたドワーフの女性が音信不通になったということらしい。
ゴッドフリード:「ふむ……」
GM:依頼人はハールーンの魔術師、ネルゴ・アランゾ。王都で私塾を開いている、やり手の魔術師だ。少し前に、弟子のパリス(ドワーフ/女性/55歳)を休暇に出したところ、サイレックオード付近で消息を絶ったそうだ。今回の依頼はそれを受けての、というわけだね。
ゴッドフリード:「それで、そんな遠くからわざわざなんでこの冒険者ギルドに依頼が? ここ以外にも冒険者ギルドは沢山あるんじゃないか?」
GM/レーア:「気になるか。なに、簡単な話だ。彼とは古い馴染みなのでな。依頼人に裏がないことは保証しよう」
ミヒャエル:「しかしドワーフの女性か……参考までに聞くが、人さらいはこちらではどの程度の頻度で起こるのかね?」
ゴッドフリード:「場所によるが……治安が悪い場所なら数日に一回は起きかねんなぁ」
ソルベ:「まぁ治安はまちまち、サイレックオードは特に星ごとの事情が違いすぎるしね~」
キッカ:「星ごとの事情、ですか」
ロラン:「わかってない分を入れれば毎日あるだろうね、場所次第では」
ミヒャエル:「なるほど、よくあると。……オーガなどの蛮族の仕業というのも考えられるが、まあ始めは現場付近で手がかりを探すべきかな?」
GM/レーア:「……今回の新人は事情にも詳しいのは助かるな。だが生憎、そうそう簡単に現場を絞り込めるような状況ではないようだ」
ミヒャエル:「おや、そうなのかね」 現場、わかってないと?
GM:行方知れずになったことはわかっている(音信が途絶えたので)ものの、それはそれとして具体的にどのあたりで居なくなったか、ということはいまだ分かっていない状況のようだね。
GM:だからこそ、今回はギルドとしても人員にそれなりの人数が欲しかったみたいだ。そのかわり特に強大な蛮族や魔神と戦う必要はなさそうなので、手ごろな新人冒険者を連れて行こうと。
ミヒャエル:「人海戦術というわけだな。単純だが良い手だ」
ソルベ:「人捜しはマンパワー、そりゃそうか」
ミヒャエル:「それで、人海戦術というのなら吾輩達はどこを捜せば良いのかな?」
GM/レーア:「まずは"空のない街"サイレック。そこに居なければ"地に近い星"ガザトオリコ。……それ以降は、目撃証言次第といったところだろうな」
GM:まあつまりは、最後に目撃された場所まで道順をなぞるように探すのがよさそうだということらしい。人探しの基本だね。
ミヒャエル:「了解だ。さて、精々この短い足で頑張るとするか」
ゴッドフリード:「移動が心配、か。なんなら俺の馬にでも乗るか?」
ミヒャエル:「ふむ、騎手か。可能なら是非頼みたい」
ゴッドフリード:「任せろ、タビット一人くらいなら楽勝だ」
ソルベ:「で、報酬は? 生憎、今晩の酒にも困ってるんだよね」
ミヒャエル:「おお、そうだった、報酬の話をせねばな」
GM:よかった、思い出してくれた。説明入れる隙がなかったらどうしようかと。
ソルベ:大丈夫。なんたって、そのために来たんだし。
GM/レーア : 「提示された報酬は1000ガメル。それも一人あたりだ。探す場所は広いとはいえ、人探しにしてはそれなりの額だろう?」
ミヒャエル : 「うむ、相場は500と聞く」
キッカ : (情報の奔流に流されまいと必死にしがみついている時の顔)
GM:キッカちゃん……。記憶喪失でよくついていってる方だよ……。
GM/レーア:「ああ。ただし、期限がある。一週間。それ以上経つようならば500ガメルに減額だ。依頼者とて、遅延を許容するほどの度量ではない。今回は特に、人の生死が関わっている可能性もある。早急に解決が求められるというわけだ」
ミヒャエル:「もっともだ。納得しよう」
キッカ:「事情によっては、一刻を争うようなことになっているかもしれませんしね……」
ソルベ:「美味いねぇ、美味い話だ。う~ん、ネルゴネルゴ……」 こっちは依頼人の名前に心当たりある? 一応、19年前までハールーンにいたし。
GM:聞いたりしたことはあるかもしれないかな、やっていること自体は普通の魔術師だよ。特にマッドな人とかじゃないね。王都に塾を開いていて、何人も弟子を取っているそうだ。
ロラン:ふむふむ
GM:比較的温情な人物なようで、弟子をこき使ったり厳しい上下関係に置いたりはあまりしないようだね。だからこそ、今回もこれだけの額で捜索をしてくれるんじゃないかな。
ソルベ:「あっ、そうそう。優しい先生なんだったっけ」
ミヒャエル:「魔術師としては珍しい部類の人物のようだ」
GM:冒険者上がりだったみたいだね。弟子との関係性が普通と少し違うのも……あと、ギルド長との関係もそこ由来なんじゃないかとは思っていいと思う。
GM/レーア:「……そうだな。彼はそういう人間だった」
ゴッドフリード:「珍しいことなのか? 徒弟を護るのは職人の基本だと思っていたが……」
ミヒャエル:「吾輩が弟子を取るならライトを教えるのに10年かけるという話さ。まあ、そんなことをしていたら吾輩が死んでしまうがね、ワッハッハ」 タビットジョーク
キッカ:笑っていいんでしょうか……。
GM:いいんじゃないかな……というか、本人が一番笑ってるし。
ロラン:「まあ、教授職は大変だからねぇ」
ゴッドフリード:「なるほどなぁ」
GM/レーア:「……さて。他に何か質問は?」
ミヒャエル:「吾輩からは特にないな。諸君らは?」
ゴッドフリード:「質問なら特に無いぜ」
ロラン:「右に同じく」
キッカ:「質問したいことは山ほどあるような気がしますが……とりあえず後回しで大丈夫です、たぶん」
ソルベ:「まぁ、取り敢えずはこんなものじゃない? ああ、勿論そのお弟子さんの外見的特徴は紙に纏めてほしいけど」
GM/レーア:「分かった。では、彼女の自筆の手紙と似顔絵が依頼者から届いている。これを使うといい」
似顔絵が手渡される。公式のシナリオにはなかったので、GMが準備したものだ。ショートカットの赤毛で、童顔のドワーフ。公式の解説にその文章が見出せなかったので、残念ながら髭はなし。
ソルベ : 「用意がいいね~、やりやすくて助かるよ」
ミヒャエル:「ありがたい、中々愛くるしい見目ではないかね」
ロラン:「いいね、うん、いいと思う」
ゴッドフリード:「それだけに心配でもあるな……」
ミヒャエル : 「助けた少女との恋物語などは王道と言えよう。ま、吾輩、タビットであるが。ワッハッハ」
ゴッドフリード:「あー……まぁアリなんじゃねぇか? 奴さん次第だけどよ」
ミヒャエル:「冗談だ、思ってもいない慰めはやめたまえ」
GM/レーア:「……やる気になったようで結構。そういう話も構わんが、依頼者に怒られない程度にしておくことだな」
GM/レーア:「それと、だ。これは依頼とは別で、私からの指示だが……」
キッカ:「何、でしょうか?」
GM/レーア:「一人、先達の冒険者を連れて行くといい。人材不足とはいえ、新人だけで依頼に行って捜索対象者同様帰ってこなかった、では笑い事では済まされん」
ミヒャエル:「フム、そうさな」
ソルベ:「あ~~……ご尤もで」
GM/レーア:「少なくとも、そこらにいる面々は暇だろう、話だけでもしてみるといい」
ロラン:「うん、道理だね!」
ゴッドフリード:「なるほどな、気遣い感謝する」
GM:というわけで、連れていけるNPCが選べる。書き出してあるから好きに選んでね。フェローとして連れていくことになるから、フェローデータが見たければ言ってほしいな。
GM:これがリスト。好きに選んでね。
・何かを奏でながらぶつぶつと喋っているグラスランナーの少女
・時折こちらを眺めている青い髪の神官らしき女性
・その神官らしき女性の方を見つめている人間の男性
・静かに目を閉じている白髪のナイトメアの女性
・銃を腰に差したルーンフォークの男性
・微笑ましくこちらを見ているドワーフの筋骨隆々の男性
(ここに置くと長くなるため、次ページ以降にデータを掲載しています)
ちなみにこのフェローのくだりはサプリの方にはない、完全に一からGMが作ったもの。後述するが、キャンペーン全体に向けて独自要素として作成した。とはいえ、これを出した時には少しPL達に引かれてしまった。何故だ。
ミヒャエル : あ~、さっきの先輩方かね。
ロラン:なるほど、それで個別に顔出ししてたと。
キッカ:知らない人混じってますけど。っていうか明らかに多いんですけど。
ソルベ:おっちゃん、ニヤニヤすんな。
GM:あ、ちなみに話しかけてから別の人のとこ行っても構わない。ギルド長におすすめの人とか聞いてみてもいいからね。ちなみにナイトメアの人はギルド長とは別の人だよ。
ロラン:あ、別の人なんだ。
ゴッドフリード:まぁ真面目に考えるなら神官だなとは思うが……。皆気になるな。
キッカ:……さっき話しかけてきた人はこの中にいますか?
GM:いないね。ぱっと見でわかる。
キッカ:いないか……。
ソルベ:こわぁ……。誰だったのあれ……。
ロラン:CVが石〇彰か櫻井〇宏のムーブじゃん。
GM:キミも割とその類のキャラ造形してると思うんだけど。
ロラン:否定できない……。
ソルベ:(笑)
ゴッドフリード:このPT、背景が怪しい奴等が多すぎるんだけど!
キッカ:こわいよ~。
ロラン:脳内CVは斎〇みつきだから……。
GM:中性的な美形なのは確かにそうだけどさぁ。
ミヒャエル:とりあえず神官の人に声をかけてみるとしようかね。
ソルベ:まぁ無難に言って神官。ヒーラーフェローは強いとマルズ・ゴベリアリの手記にも書いてある。
キッカ:随分とメタい手記ですね……。
ミヒャエル:「そこの青い髪の君、ちょっとお話良いかな?ああ、ナンパではないから安心したまえ」
GM:じゃあミヒャエルが話しかけると、彼女はキミたち全員をぐるりと見る。その中にゴッドフリードの姿があるのを確認すると、笑顔で応答してくれるね。
GM/セレン:「あぁ、うん、何かな? あ、そっちの君は……パーティーを組めたんだね、よかった」
ゴッドフリード:あ、やっぱりか。
ゴッドフリード:「うむ!! 一人でも俺の戦法なら不可能ではないが、流石に厳しかったからな!! 案内感謝する!!」
ソルベ:「パーティ? なのかな、この5人」
キッカ:「ひと固まりで行動するならパーティなのでは……ないでしょうか?」
キッカ:(なんだか懐かしい気もしますが……かつての私も、こうして冒険を?)
ミヒャエル:「うむ、そのパーティの話なのだが、神官が不足していてね。見たところ神官のようだから、真っ先に声をかけさせてもらったという次第だ」
GM/セレン:「はは、面白いなぁ君は。……なるほど、そういうことか。私は構わないけど――」 ちょっと目線を伏せて、一拍おく。
ソルベ:ミステリアス厄ネタお抱えお姉ちゃんだ……。
GM/セレン:「でも、一旦他の人に話を聞いてみるのもいいんじゃないかな? ほら、私ってこの中でも新参の方だから」
ミヒャエル:「うむ、それぞれ一度は聞いてみるつもりだ。例えばそちらの情熱的な視線の彼などにね」 こっちを見てる人間の男性の方を向く。
GM/セレン:「あぁ……うん、彼か。君たちとなら上手くやれるかもしれないね、特に君とか」 曖昧な表情。ロランの方を見ながら。
キッカ:(例の、ここを訪ねるよう言ってきた男について聞きたいがはてさてどう聞いたらいいかもわからず困っている)
GM/セレン:「……何かな?」
キッカ:「いえ、その……」 例の男について聞いてみていい?
GM:いいよ。こう答える。
GM/セレン:「私は見たことないな。でも、私だってここの人間を全員知ってるわけじゃない。ここの名前を出した以上、少なくともギルド長とは関係あるんじゃないかな。ここで見たっていうなら、サイレックオードに居ればまた会う機会もある……とは、思う。断言はできないけど」
キッカ:そっか……本当に誰なの……?
GM:まだ言えないなぁ。あ、フェロー行動表見る?
ロラン:見る。
GM:OK、セレンは……これだね、はい。
フェローの行動表を見せる。エピックトレジャリーでの新規ルール、フェロー拡張行動表を利用したものだ。ただし――。
ソルベ:あ、未開放。
ゴッドフリード:デモンズラインの守り人フェローみたいな感じか。
ダイス目に応じた表がそれぞれ二段に分かれているうち、すべて片方には「未開放」の文字。ここではまだ説明しないが、ある条件で開放されるとまでは伝えた。同時に、他のキャラクターのぶんも見たいということで一気に6人分すべて提示。
ゴッドフリード:いいなぁ。なるほど。
ソルベ:おっちゃんがめっちゃ面白いデータしてる。ファイターとグラップラーとかばう……?
ロラン:さっきから見つめてる人間の男、ほとんど高い出目のほうが未開放なのやる気のなさがわかりやすいな……。
ミヒャエル:まあ、しかしセレンさんかね。神官は安定だよ。
ゴッドフリード : だな、今回は安定を取ってセレンさんにするか。
フェロー行動表にある自己紹介を読みながらわいわいと。思ったより時間を食ってしまったので、全員に話しかけてはみたという体にして再度神官のセレンさんのところへ。
ミヒャエル:「ふむ、概ね把握させてもらったが、やはり君に頼みたいな」 改めてセレンに。
GM/セレン:「……うん。ありがとう。じゃあ、私も頑張るよ。改めてよろしくね」
ゴッドフリード:「おぅ、よろしく!!」
ミヒャエル:(PLの素に戻って)良いな、メインヒロインって感じ。自分が人型種族なら口説いてた。
キッカ:リルドラケンとタビットはそのへん難しいですよね……。
ゴッドフリード:じゃあ頑張って攻略しましょうかね……。
ソルベ:「よろしくね~。ところでお酒の趣味はどんな感じ?」
GM/セレン:「お酒。は、あまり飲まないんだ、ごめん。強いて言えば甘いの……かな」
ソルベ:「そうかそうか、じゃあノンアルでいいから終わったら飲もうね~」
ミヒャエル:「気をつけたまえ、これは勘だが、ソルベ君は油断させたところで甘くて度数の高い酒を飲ませて君を酔いつぶす算段だ」
GM/セレン:「…………」 どっちを信じればいいのかという顔をしている。
ソルベ:「おお? 失礼な、キツいのいきなり入れてもつまんないじゃないか」
ミヒャエル:「ふむ、タビットといえば第六感なのだが……いや、存外外れていないようだ」
キッカ:「お酒ですか……?」
ロラン:「口説くのにお酒の力を使うのはよくないよぉ、具体的には後で苦労するからね!」
ゴッドフリード:「実感籠ってるなぁ」
ロラン:「ピアスごと耳を持ってかれそうになったらそうなるさ」
ミヒャエル:「耳の長い種族は苦労するな。吾輩もだが。ワッハッハ!」
ゴッドフリード:「まぁ怖いなら俺も同席するって事でいいんじゃないか?」
ソルベ:「かわいい女の子は好きだけど、別にソッチのケがあるわけじゃないよ? 寝たことがないとは言わないけど」
GM/セレン:「……仲がいいんだね、今日会ったばかりなのに」
ゴッドフリード:「波長が合うって奴なんだろうな」
キッカ:「正直、私は置いてけぼり食らってますが」
GM/セレン : 「うん、わかるよ。私も初めて会う人ばかりだとなかなかね」
ミヒャエル:「キッカ君はティエンスだったね。仮死の期間が長かったのかい?」
キッカ:「……眠りにつく前の記憶がないんです」
ミヒャエル:「そうか……まあゆっくり慣れることだ。何か悩み事が出来たら相談してくれたまえよ」
ゴッドフリード:「お? キミも記憶喪失仲間か? 改めてになるがよろしく!!」
キッカ:「よ、よろしくお願いします」
GM:記憶喪失二人、なかなか闇の深いパーティになったもんだねぇ。
キッカ:闇かどうかはわかんないでしょぉぉ。
GM/セレン:「記憶喪失、ね。じゃあ、さっき言ってた人っていうのが君を?」
キッカ:「それは……いえ。目覚めた時は、そばに誰もいなかったですし……」
ゴッドフリード:「ふーむ……そいつは災難だったな。俺も一応目覚めさせてもらった時には身分保障とかしてもらったし……」
ミヒャエル:「さて、雑談も良いが、期限のある依頼だ。そろそろ行くとするかね?」
ゴッドフリード:「そうだな。まずは依頼を達成して……酒はそのあと考えるとしよう」
ソルベ:「ははは、キラキラしてない酒の席ってそういうものじゃん? なりゆきなりゆき」
GM : そんなこんなでパーティーを組み、先輩冒険者の助けも得たキミたち。では、依頼のために出発しよう。まずは"空のない街"サイレックからだ!
ソルベ : 「んじゃま、なりゆきだけど戦いんなったらよろしくね~」
ゴッドフリード : 「おぅ、任せろ」
ロラン : 「(さて、流れるままやってきたが……事情がありそうな娘に愉快な仲間たち、か。”私”の未来は開けるかな?)」
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