第3話 五葉・アズリーレ



「最低を集めて煮詰めたようなゴミため」

「きっと私は生き延びる事ができずに、そこで死んだのだろう」


 思い出がほんの少し蘇る

 日常は味気ないもので

 おそらく色味も少なくて

 きっと絵も映えない


 たくさん作っていこう あの時そう思えていならば

 たくさん見つけていこう いや そう思う気力すらなかっただろう


 余ったページに落書きを書き込むような

 にぎやかしくて あたたかい そんなアルバムを作りたかった


 本当 (なんて救いようがない) 嘘 (ほど優しいものはない)

 真実 (なんて触れれば傷つくだけ) 虚構 (に逃げ込んだ方がよほど楽しい)


「私にとっては何がどうなったって、かまわない」


「本当も真実も、私を壊すだけだったから」




「ストーリー」


 正義の番人でも、譲れない想いで罪人になったでもない。

 ただ、血肉湧き踊る動乱を目的にして、混乱を呼び寄せる大罪人の男。アズリーレ。


 ミュセを含む一般人を人質に取った男は、小さな村を爆破しようとする。

 ウォルド達とルーチェは、アズリーレを止めるために奔走する。


 決着は橋の上。

 もみ合いのすえ、川へ落ちた五葉は夢を見た。

 アズリーレに似た男が出てくる、自分がかつていた、最低な世界の夢を。


「「この世界の真実も虚構もどうでも良い。ただ俺が満足できれば(私が満足できるなら)」」


 五葉もアズリーレも今を見つめるだけの、刹那に生きる人間だった。


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