第288話 LV288 一方、トリニスタント勢

「ドレン、ここはどこなんだ?」

 タケルが辿り着いた場所には広大な砂漠が広がっていた。

 

「いや、俺も分からない」


「それより、他のみんなは?」


「私とドレンしかいないの」


「エミリー……」


 トリニスタント勢はトーレムグレイグ勢とゴータスフール勢の転送位置から約100km離れた先にいた。


「ちょっと調べてみる」


 *ドレンは全探知LV4を発動した。


「……」


「どうだ、ドレン」


「まあ、落ち着けって」


「――いる。300m程先に二匹の魔物と生命反応が4つ」


「ショウコ達だな」


「おそらく……この方角だ」

 

 三人は探知した方角に走って向かう。緩やかな傾斜を駆け上がり、少し高い場所から探知した方角を見渡す。すると、少し先で魔物と戦闘をする人間の姿が見えた。


「あいつらだ!」


 ドレンは魔物の方へ走りながらスキャンLV7を発動する。


 サンドビックアーム LV102


 HP 8120

 腕力 2120

 魔力 1200

 守備 2611

 素早さ 467


 サンドビックアーム LV101


 HP 7515

 腕力 1820

 魔力 1009

 守備 2728

 素早さ 445


「レベル100越え! あのミミズ一匹一匹が魔人以上に強いぞ」


「今の僕なら問題ないね。 エミリー!」


「任せて! 攻撃強化・防御強化・倍速」


 エミリーは補助回復系の魔法を得意としている。エミリーはタケルに強化魔法をかけた。



 タケルはドレンとエミリーを差し置き、一人で魔物へと突っ込む。


「タケル!」


 ドレンの読み通り、魔物と戦っていたのはトリニスタント勢のショウコ・タイキ・ジョージ・チンだった。


「聖光斬馬波」


 タケルの必殺技でサンドビックアームの頭が跳んだ。


「ファイアーボール」


 ショウコは地面に落ちた巨大な頭をすかさず燃やす。


 切り落としたサンドビックアームの胴体を蹴り上げ、タケルはさらに跳ぶともう一体のサンドビックアームの頭上から剣を振り下ろした。


「うおおおおぉーー」


 タケルの斬撃によりサンドビックアームが縦真っ二つに裂ける。タケルは強くなっていた。


「すごいじゃん、タケル」


 ショウコは思わず、タケルに抱きついた。


「まだだ。全然まだだ」


「ナニイッテル。ジュウブンネ」


「そうだ、十分だ」

 

 チンとジョージはそう言うが、タケルが見据える先はヴィオラ。勇者三人での修行を経て、タケルは次元が違う強さを持ったヴィオラをライバル視するようになっていた。


 大きな音をたてサンドビックアームは地面に伏した。ショウコは念のためにサンドビックアームを魔法で全て焼き尽くした。


「これで、一安心ね」


「いや、違う!」

 タイキは大地のうごめきをいち早く感じ取る。――同時に、ドレンが叫ぶ。


「地中深くから魔物の反応! 1・2・3……8体‼」


「ナンダト!」


 辺りの砂が一斉にせり上がる。


 *サンドビックアームが現れた。

 *サンドビックアームが現れた。

 *サンドビックアームが現れた。 

 *サンドビックアームが現れた。

 *サンドビックアームが現れた。

 *サンドビックアームが現れた。

 *サンドビックアームが現れた。 

 *サンドビックアームが現れた。


 タケル達が転移魔法で飛ばされた先は『搾取の砂漠』。そしてここは、サンドビックアームの巣窟である。


―――――――――――――――――――――――

攻撃強化 攻撃力が上がる魔法

防御強化 防御力が上がる魔法

倍速 素早さが二倍になる魔法

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