女将軍

 私は戀に関して胸を張って言えないようなことをたくさんしてきた。それは初戀も同様だった。今でも覚えている、私の初戀は小学校六年生のときだった。


 進級するときに、長野の小さな小学校から東京の大きな小学校に転校することになった。私は当時から変わっていて、それが災いして友達がいなかった。それに地元愛は全くなく、長野のことを「陸の孤島」と当時は言っていた。だから悲しくはなかった。でも東京に対する恐怖はあった。


 私は当時、東京にわずかな望みがあった。それは「友達」だった。友達がいなかったし、なんならできたこともなかったのでその分期待していた。でも期待しすぎるのは良くないと痛感させられることになった。


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女将軍 @takami3333

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