彼方の約束 〜この世はカオスに満ちている〜

第0.0話 プロローグ

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【転生】

　燃え盛る家屋の中で女が微笑みながらこちらを見ている。女の首には真紅の魔石が掛けられていた。

　自身に燃え移った炎はこの身を焼き焦がし、声も出せぬまま走馬灯が一瞬過ぎる。

　最期に数刻前に女と交わした約束を思い出す。

「今から死ぬ君にチャンスを与えよう。ここでは無い別の星で生まれ変わる代わりに、私達と共に奴等を滅ぼそうじゃないか」

　少年が灰となって消えるのを見届けた女は最後の転生希望者を求めその場を後にした。

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【神々が住まう場所】

　それが楽園（エデン）であり、彼の求めた悲しみも孤独も無い理想郷。宇宙の何処かに存在し外界とを結界で閉した惑星である。

　結界は惑星を隠匿し侵入を防ぐものであったが、神であれば適切なプロセスを踏む事で出入りが可能であった。

　ある時楽園（エデン）の結界から1柱の神が飛び出した。その数秒後、7柱（ちゅう）もの神が追い掛ける様に結界を抜ける。

　小惑星や引力の強い星を次々と破壊しながらそれらは徐々に間を詰めていく。やがて囲まれた1柱の神は口の端を吊り上げると虚を突いて瞬速でその場から逃走する。

　その際目眩しの為に手の平から星の種をばら撒き、一つだけ血のついたものが太陽となった。──いわゆる太陽系の誕生である。

　深傷を負った1柱の神は次第に大きく成長し出した星の種の一つに身を隠し永い眠りについた。

──自身を追放した楽園の者達に復讐し、自身が創り上げた唯一無二の帰る場所を取り戻す為に。

※柱＝神様の数え方

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