夢への挑戦~2人の絆は永遠に~

NOTTI

第1話:夢は叶う

2021年春、久瑠実と直樹はある夢を叶えた。それは、自分たちで大きな土地を買って大きな地域コミュニティを作り、そこでいろいろな事情を抱えた人を迎え入れたいという夢だった。


 この夢は2人が出会ってからずっと考えていた構想で、二人の中では絶対に叶えたい事リストの上位に来ていた。そんな彼らにとってこの夢を構想するのはかなりの難題だった。


 まず、二人の夢を叶えるには広大な土地とそれを管理するための機材をそろえないといけないと思い、不動産屋さんに行って土地を探してもらった。すると、条件に合う土地が3件見つかった。1件目は彼らが住んでいる戸建ての家から車で2時間ほどのところにある5000坪の雑地のような場所、2件目は家から4時間ほどのところにある山が2山と雑地が7000坪、3件目は家から3時間ほどの所にある田んぼ5反、山が2山、雑地8000坪というどの物件も魅力的ではあった。しかし、予算に合わせると1件目はいいが、他の2件は融資を受けないと支払いきれないし、場所を整地する費用などを算出してみると3件ともお金が同じくらい掛かるのだ。ただ、3件目は県と市町村から補助金が下り、農機具等を保管する小屋などは新たに建てなくても状態が良い事が分かっている。


 そこで、二人は実際に現地に出向き、内覧と視察を行った。これは、実際に現地に行くことで土地の状態や周辺環境を把握することが出来るし、購入後に整地するための工事費用などがいくら掛かるのかを把握したかったからだろう。そして、不動産屋さんから工事費用などを説明してもらった。内覧を終えたその夜二人で相談した結果、3件目の土地を契約し、県と市町村からの補助金の申請と銀行からの融資を受けて、不動産屋さんに全額を支払った。


 この時、二人は夢への新たな一歩を踏み出せたことで顔を見合わせて安心をしていた。


 そして、仕事をしながら週末に子供たちを連れて購入した土地の草刈りと清掃を行っていた。


 そして、ある程度の通路や駐車スペースなど最低限の動線を確保し、今後始まる工事に備えていた。


二人の頭の中には最初に入り口にゲートを作り、畑の周りに電気線などを設置するなど田畑が荒らされないようにする対策を講じた。しかし、この工事は資格が必要な部分があり、二人は電気工事士の免許を持っていないため、自分たちで施工することは出来ないため、業者さんを呼んで資格免許が必要な部分だけは施行してもらうことにした。そして、その部分を工事している間に先月成約したトラクターがキャリアカーで届き、小屋の近くで降ろしてそのまま5反ある田んぼを全て耕した。


そして、小屋の近くに立っていた幹の太い杉の木の近くにリンゴやみかんなどの柑橘類の木を植えようと考えていた。


 こうして2人の夢に向けて少しずつ準備が進んでいき、少し前まで紙の上で表現されていた設計図やデザイン画が目の前に出来上がっていく姿を見て2人ともワクワクしていた。


 全てが出来上がる日が今から待ち遠しい。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る