第36話 マルチーズのボス争い2 格差をつけよう

マル美ちゃんと直接会って、気持ちを聞いた。

<私を守ってくれる人がいなくて、辛かった・・・。>

「マル美ちゃんには、お兄ちゃんがついてるよ。

 マル美ちゃんに意地悪するな!って、お兄ちゃんが怒ってくれるから

 マル美ちゃんが、わん太の上だから。」

<私はマルチーズだから、笑うのがお仕事。怒っちゃいけないと思ってた>

「イヤイヤイヤ、そこは怒っていいの!ガンガン怒っていいの。

 笑うのがお仕事でも、怒っていいの。わん太を怒って大丈夫!!」


辛い気持ちを吐き出せた事で、ほっとした表情に変わったマル美ちゃん。

ガチガチに固まった身体も、霊気を入れてほぐして貰った。


ここからは、人の出番です。

現状 自分がマル美ちゃんの上だと威張りまくってるわん太。

   自分に自信がなく、反撃できないマル美ちゃん。

このパワーバランスを逆転させるには・・・


1.マル美ちゃん、飼い主(ラスボス)の威を借る。

 マル美ちゃんには、時々しか会えないけど、

 自分を守ってくれる強いお兄ちゃんがいると示す。

 お兄ちゃんは、わん太を呼ばない、触らない、抱っこしない。

 マル美ちゃんに、お兄ちゃんを独占させる。

 静かに「マル美をいじめるなよ」と、わん太に言っておく(脅しておく)

 人の膝の上に犬を乗せる行為は、犬が上位に立ったと思わせます。

 なので、お兄ちゃんだけは、わん太を抱っこしてはいけません。


2.全てをマル美ちゃん優先にする。

  家族全員が守るルール。 全ての順番は、マル美ちゃんが先。

  名前を呼ぶ、ご飯を置く、オヤツをあげる。

  散歩に行く時にリードを付ける、水を飲む等


3.テリトリーの確保

  リビングに2つのケージを置いていたので、

  わん太のケージは隣室に移動。

  こうする事で、リビングはマル美ちゃんのテリトリーとなり、

  わん太は、マル美ちゃんのテリトリーに入らせて頂く立場になる。


4.わん太に、自分がマル美の下になっても、

  変わらず、お母さんから愛されていると伝える為に、褒める。

  毎日のトイレの度に、必ず褒める。(マル美ちゃんも褒める)


  躾の盲点で、トイレが出来るようになると、

  出来て当たり前となり、褒めなくなる飼い主が多い。

  だが、毎日のトイレは、犬にとっては、

  必ず褒めて貰える大事なチャンス。

  死ぬまで裏切る事なく、毎回、飼い主は褒めて下さい。

  飼い主に褒めて貰えるから、犬はトイレを失敗しないのです。


この4項目を飼い主さんにお願いした直後、わん太君のケージは隣室に移動。

その夜、マル美ちゃんは、元気な声で応えてくれました。


<今日は、霊気が気持ち良かったぁ。元気が出てきたよ。

 家に戻ったら、わん太が「なんだよお前!」って、

 ギャーギャー言ってきたけど、

 「お黙りなさい!私がお姉ちゃんです。アナタは私の下です!」って、

 ハッキリ言えた。頑張ったよ。

 お母さんに、ちゃんと伝えて。

 これからは、何でも私を優先にして下さい。

 順番は、私が先で、次がわん太。

 考えなしのわん太は、これから先、事故に遭う可能性がある。

 ちゃんと私の後ろをついてくれば、ケガも避けれるのだから。>


何気に怖い事を言ってますが・・・(^_^;)

マル美ちゃんが自信を取り戻せたようで、ヨシとする。   続く

 

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