第11話 縁の糸を繋ぎます  猫姉さんは語る

猫姉さん・・・最近、お空に旅立つ。 猫美と姉妹

       同居猫に、猫美とニャン太(保護猫)がいる。



猫姉さんに質問です。

猫は縁の糸を繋ぐと聞いてますが、猫姉さんは、どんな縁の紐を結びましたか?


猫姉さんの答え

私は、ニャン太の縁の紐を、引っ張ってきました(えっへん!!)


猫はね、目の前に視える縁の紐から、今日はピンク、明日は黄色を引いてみよ~♪

みたいな、くじ引きみたいな感覚で引いてる。

それは、アイスが当たったり、笑顔だったり、些細な幸せから、縁談だったり、

財産だったり、色んな種類がある。

だから、招き猫にも色んな種類があるのです。

猫は、縁を結ぶ事もあれば、切る事もある。

私は、紐を結ぶよりも、嫌な感じの紐の縁切りの方が多かったな。


残った猫美が心配?

大丈夫よ、ニャン太がいるから。

あの2頭、前世で親子だったもん。仲良く暮らしていくよ。


ニャン太の縁の紐を探すのが、大変だったんだから!

猫美が<子供の紐を探すけど、見つからないっ>って泣き出して。

毎日毎日2頭で、縁の紐の流れの中から、子猫の紐を探してた。

(暗い天井から、色んな色の紐が垂れ下がっていて、

ゆっくりと流れていく)

やっと見つけたと思ったら、遠くて届かなくて。

周りには、同じように子猫紐を探してるお母さん猫もいて。

紐の流れが目の前を過ぎてしまうと、死んでしまうし。

猫美は、他の猫さんに事情を話して、子猫紐を譲って貰えるようお願いし、

私が何度もジャンプしまくって、やっと紐を掴んだのよ。

その紐の子猫が、ニャン太なの。


猫美はね、前世で子供と離された事が何よりも辛かったんだって。

だから今世では、どんな手を使ってでも子供に会いたい、育てたいって願ってた。

猫美は、良いコだからね。手伝いたかったんだ。

そう。私は、猫美とニャン太の為に、そっちに行ったの。


私は、猫美のお手伝いが終わったから、こっちに戻ったの。

だから、5年生きれば充分だったの。

お母さん、私が短命だった事、気にしないでね。

猫側から言えば、大願成就だったのよ。


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