第14話 シュールト公爵家side(追放者side)

なぜだ?なぜマルリの情報がひとつもないのだ?

あいつのことだから自分のドレスを売るために換金屋にいったのではないかと思い換金屋に部下をいかせてみたが店主のばぁさん曰く知らないと言う。

店主が嘘をついている可能性はあるが貴族を敵に回してまで嘘をつく程の価値はないだろう。


やはりあいつは死んだのか?

だが、人というものはそんなに早く死んでしまうものなのか?



「シュッシュールト様!近くのダンジョンにて近頃魔物が瞬殺されているとの情報が!」


「なに⁈ん?いや待て、それがどうしたのだ?」


「いえ、もしかしたらマルリ様によるものかと思いまして…」


「ハッハッハッそんな訳がなかろうに。いくら学校で優秀な成績を収めていたとはいえ、まだ実戦のカリキュラムなど行っていないのだ。そんな初心者が魔物を瞬殺?馬鹿げてるとしか言いようがないな」


「そうでございますか?しかし、あの聖女様と勇者様のお子様ですよ?もしかしたらという事もあり得ますし…」


「え?あいつって英雄の娘なのか?」


「そっそうでございますよ⁈ご存知ならなかったのですか?」


そうか…英雄の娘…英雄の…。


「え?」


「ふぇ?」


「おい、一体俺はどうすれば良いのだ?」


「そんなこと言われましても、シュールト様。マルリ様に何をされたのですか?今回旅立っていかれたのもシュールト様からは自分探しの旅に出たと聞きましたがそれは本当ですか?」


「…違う…。平民へ降格させ追放した。それに、会うたびに嫌味を沢山言った…」


「⁈…馬鹿ですね…。」


「なっ貴様無礼だぞ!主に向かって馬鹿とはなんだ!」


「その舐め腐った頭に向かって言ってんだよ!何が主だ!自分の娘を大事にできない人を主と思う義理はない!前々からえっらそうにしやがって!お前なんざ社会的に抹殺しようと思ったら簡単にできるんだからな?政治もできない馬鹿領主が!」


え?舐め腐った?社会的に抹殺?馬鹿領主?


「おっおい…いきなりどうしたのだ?らしくないぞ?」


「すいません、つい本音が出てしまいました…とりあえず、そういうことでしたらシュールト様。これからはあなたも探しに行きましょうか?当たり前ですよね…?」


「クッ…あぁわかった。分かったとも…」


「調子にのんのも大概にしろよ馬鹿野郎が」


「ヒッすいませんでした!」


やばい、やばいぞ…。今のところ俺に味方などいない…早くマルリを見つけなければ…

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