帰ってこい?私が聖女の娘だからですか?残念ですが、私はもう平民ですので

おいどんべい

第1話 婚約破棄ですか、分かりました受け入れます

「全くお前は駄目なやつだ」


魔法学院でのテストの結果を見てのレルト様の一言。

全教科100点なのですが、これ以上どうしろと?


「はぁ、お前はどうしてそんなに魅力がないんだ」


社交会が終わった後のレルト様の一言。

そんなこと言われたって私が知りたいですよ。


「はっ、お前のような出来損ないとは一緒にいられない、本日をもって婚約を破棄させて貰う」


いきなり呼び出してきて、ドレスを身に纏った女性を抱きしめながら言ったレルト様の一言。

そうですか。ご自由にどうぞ。


————————————————————


私の名前はマルリ=ローレス。

どうやら私は聖女様の娘らしいです。

ですが、私の両親は私を産んですぐ後に原因不明の爆発事故により亡くなってしまいました。

そのため私は、シュールト公爵家の方々に育てられました。

でも、あまり幸せとは言えません。

家族からは悪口を言われ、反抗すれば殴られたり蹴られたり。

一体何のためにシュールト公爵家の皆様は私を引き取ったのでしょうか。


月日は経ち、私の元に王家から婚約のお話が来ました。

どうやらお相手は、第一王子であるレルト様でした。

両親は喜んでその話を承諾しました。

しかし、私は正直嬉しくありませんでした。

レルト王子は言動や行動が荒く、すぐ手を挙げる事で有名だったからです。

ですが、私に拒否権などありません。

私たちは婚約することになりました。


案の定、レルト様は噂通りの人でした。

レルト様はなにかと私に嫌味を言ってきます。

私のする事を全て否定してきます。

勉強をしていれば、


「フッ勉強ばかりして面白みない奴だ」


と言い。友達との交流を深めていたら、


「そのようなくだらん事ばかりやっていないで勉強をしたらどうだ」


と言われます。

一体私は何をすればいいのでしょう?


挙げ句の果てには、会うたびに挨拶のように出来損ないと言ってくるようになりました。


もう私の手には負えません。

ですが、頼れる人もいません。

私に出来る事は「努力」それだけです。

私は常に努力し続けました。




そして努力した結果は「婚約破棄」、そして家からの追い出し。

私は貴族ではなくなりました。

人々は、私を哀れだと言いました。




ですが、勝手に哀れまないでいただきたい。

誰も私のことは縛れません、自由なのです。

努力し続けた結果、自由を手に入れられたのならば良い結果と言えるでしょう。


それでは皆さんさようなら。

今日から私は平民です、あなた方とは一切関係ありません。

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