第15話 雪崩 (かつての投稿時テーマ 白色)
(僅かにお下劣エロ入りおふざけ怪談です)
天空まで澄み切った青空だった。
俺は新雪の中を麓へと急いでいた。
急に、あらぬ方向から風か吹き抜けた。
嫌な感じがして山頂方向を見やった。
最初、俺はそれを山向こうで湧いた真っ白い雲だと思った。
しかし、それは迫りくる雪崩の上に舞う雪煙だった。
俺は身を屈めると、ピッケルを深々と突き刺し、それに抱きついた。
これで助かったら恩の字だ。
数瞬ののち、雪崩が俺を襲った。
雪崩は暖かかった。そして柔らかく、心地よかった。うつむいていた顔を僅かに上げ、薄眼を開けた。
無数の白い女の手が、俺の身体を撫でて行っていた。
うふふふっ、女の艶っぽい声が聞こえた。
その瞬間、いくつかの女の手が俺の指に掛り、ピッケルから引き剥がそうとしてきた。
俺は必死に耐えた。ピッケルにしがみつき続ける。
次の瞬間だった。女の手が俺の股間を握った。優しく、心地よく、あそこをもみあげてきた。
「うっ」
俺は絵も言われぬ快楽に全身から力が抜けた。
ピッケルが遠ざかっていく。
慌てて手を伸ばすが、もう届かなかった。
俺は流されながら、冷たい視線をした目を見つけた。
俺の耳に女の声が届く。
「小さいのね」
それが俺の最後の記憶だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます