閑話4 戦闘向きの6名


 異世界へ転移してきて1週間が過ぎた。

 クラスの皆も先生も落ち着いている。

 若本先生は異世界へ転移したことを理解して少し落ち着くと、今度は若返ったことにかなり戸惑っていた。

 他のクラスメイト達は、比較的すぐに適応したと思う。

 中世のような世界ではあるが、食事もおいしいし、清潔でもある。

 私たちの待遇もかなり良いと思う。


 まだ、こちらの世界の騎士や魔導士が同行する形ではあるが、街も見て回った。

 街の外のダンジョンへも入り、レベルを上げ始めている。

 こちらの世界についての勉強も進んでいる。


 明日からは本格的にダンジョンへ潜り、レベルを上げてゆく。

 クラス全員のレベルを10まで上げることが当面の目標だ。

 もちろん、魔石を集めて魔力を集めてゆく。

 魔物を倒してもグロテスクな死に方をしないので、女子も比較的戦えている。


 戦えそうもない人は守られながら、経験値分配という勇者の固有スキルを持つ私とパーティーを組んでレベルを上げることになった。


 全員のレベルが10になったら、戦闘向きの良いスキルを持ったメンバーを中心にレベルを上げることになるだろう。

 魔力を貯めるためには強い魔物と戦う必要がある。

 おそらく、勇者の私、賢者の幸宏、剣の達人の賢一、槍の達人の山本君、忍者の華、料理人だが強力な魔法のスキルを持つ美波の6名を優先的にレベル上げするはずだ。


 他のクラスメイトは生産向きの称号やスキルを持つ者がほとんどだった。

 おそらくリリエラ様と称号を決めるときに、戦闘を避ける方向にしたのだろう。


 戦闘に最もむいた6人だけ、戦闘向きの称号やスキルを取らせたのだと思う。

 ダンジョンへ潜る要員が必要だからしょうがない。

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