ストーンダンジョン 見捨てられた冒険者の成長
仲仁へび(旧:離久)
第1話
世界各地の地下に、封印されていたダンジョン。
ダンジョンの中には、高価なお宝や秘宝が山ほど眠っていた。
そのため、それらの品物を目当てに、多くの冒険者達が誕生していた。
冒険者として生計を立てていた少年。イークス。
イークスは中級冒険者になったばかりの双剣使いだ。
しかし彼はある日、ダンジョンの奥地に置き去りにされてしまう。
イークスの実力は不安定。
そのため、一人で活動するには心もとない。
自然の成り行きで、三人ほどが在籍するパーーティー・メタルドラゴンに加入して活動していたのだが、彼らがイークスを裏切ったのだ。
「お前の剣さばき危なっかしくて見てらんねぇよ! 恨むんなら自分の腕の悪さを恨むんだな」
モンスターとの戦闘で怪我をしたイークスは、共に行動していたパーティー達に見捨てられてしまう。
「そんな、僕は見捨てられたのか?」
動けないイークスはすぐに、モンスターの大群にかこまれた。
イークスはその時、もはやこれまでか、そう思いつつも運命に抗い、一体でも多くのモンスターを道ずれにしていこうと決意した。
そんな流れで窮地に陥ったイークスだが、彼を助ける少女がいた。
少女の名前はレクシィ、大剣使い。
有名パーティーにいる上級冒険者だった。
レクシィに助けられたイークスは、彼女が所属する有名パーティーの拠点へと連れていかれた。
そこで気に入られたイークスは、そのパーティー・アレキサンドライトに加入する事になった。
「窮地に陥っても絶望せずに諦めない、なんて事はなかなか出来る事じゃねぇんだよ。ただ現実から目をそらし、がむしゃらにあがくでもない。レクシィから聞いたお前の行動には理性があった」
正しく鍛えればイークスの実力は伸びる。パーティーリーダーの男性、サゴンからそういわれた。
元気づけられたイークスは、その日からアレキサンドライトで修行する事になった。
イークスの欠点は、状況に対応するのが遅いという点。
双剣で敵と渡り合うのが戦闘スタイルだったが、接近戦をした後に、距離をとる戦い方をしたり、逆に離れた所から接近戦に持ち込むのが苦手だった。
ゆえに、様々なタイプのモンスターに囲まれた際に、その弱点が露呈してしまう。
そんなイークスは、その日から双剣だけでなく、大剣も扱い、弓もならい、魔法もならい、体術も学んでいった。
忙しい日々が過ぎていく。
しかし、アレキサンドライトには良い師となる者がたくさんいたため、イークスの実力はめきめきと育っていった。
そして、再びダンジョンへ入る時がやってきた。
成長したイークスは、モンスターごとに戦い方を変えてやりあった。
彼は、以前より確実に戦えるようになっていた。
イークスは真面目だったため、色々な事に手を出していては、実力派伸びない、と考えていたが。
一つの戦い方にこだわらない事が、成長への近道だったのだ。
そんなイークスはダンジョン内で、以前自分を見捨てたパーティー・メタルドラゴンと出会う。
有名パーティーと行動を共にしているイークスを見た彼らは、イークスが口八丁でうまく取り入ったのだと誤解して、つっかかってきた。
そんなイークスと、メタルドラゴンのやりとりを見たリクシィは、「イークスには確かに光る才能がある」だから、自分達のパーティーに招き入れたのだと告げる。
売り言葉に買い言葉が発展し、決闘をすることになったイークスは、メタルドラゴンのリーダーと戦う事になった。
以前は手も足も出なかった相手だが、イークスは余裕で勝利。
自分の成長を証明したのだった。
「僕はあの時とは違う。皆のおかげで強くなったんだ」
しかし、その後突如として変異モンスターが一同を襲う。
変異モンスターは通常のモンスターより強く大柄で、特殊能力を保持している。
だから、やっかいな相手だった。
得意モンスターの攻撃で窮地に陥る一同だったが、イークスの機転により攻勢に転ずる事ができた。
「何、毒の攻撃だと! この辺りでは毒持ちのモンスターなんていないのに!」
「背後に回り込んでください。相手は容易に姿勢をかえられないようです! それと毒の噴霧攻撃はあの角を叩けば収まります!」
無事に、力を合わせて、特異型のモンスターを倒した彼等。
メタルドラゴンの者達は、イークスを見捨てた事を詫びてその場を去っていった。
ストーンダンジョン 見捨てられた冒険者の成長 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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