第6話 肩たたき

 サヤがいつものように「おこづかい……」と俺に話しかけてくる。


 俺は要求を考える。


 前の要求がかなりきわどかったのだ。


 今回は楽なものにしてあげよう。


 「そうだな……肩たたきしてくれるか……かなり近い距離で」


 「……こう?」


 「そうそう、いい感じ」


 座る俺の背中に彼女の胸が押し当てられる。


 心地よい肩たたき、彼女の体が当たることもあいまって、体中から力が抜ける。


 「ふぅ……」


 「気持ちいい?」


 「うん、これはなかなかいいものだな……」


 「そう、よかった」


 今、気づいたんだが、妹よ。


 いくらお兄ちゃんの後ろから胸を押し当てるといってもだ。


 ブラくらいしろよ……。


 俺は肩こりされたはずなのに、結果的に肩が凝ったんじゃないかと思うくらい緊張した。


 ……後悔はしていない。


 

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