100年越しの月下美人

百はな

第壱幕 器の少女

予章


「ようやく見つけた」

血に染まった手であたしの頬に触れる。

「100越しの月下美人の器が」

真っ赤に染まった満月。

鉄の匂いが漂う空間であたしに呪いを掛けた。

月下美人が咲くのが先か。

あたしの命が散るのが先か。

100年越しの月下美人が地に舞い降りた。

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