天文4  月変

401年3月、「月に歯が生えた」。占いでは「天子のもとに賊臣がある。群下は自ら殺し合う」を示し、すなわち桓玄かんげん簒奪を示す兆しであったとされる。

ちなみにこの月変は魏書にも記録されている。「賊臣あり」の占断であることは変わらない。こちらは 402年 11 月に起こった,秀容しゅうようにおける劉曜りゅうようの謀反に比定されている。


413 年 12 月の朝、月がなおも東の空に見えた。しかしやがて見えなくなった。これは王たちが萎縮している兆しとされた。実際、このとき劉裕りゅうゆうが自らの権勢を伸ばすための厳罰を大いに施行していた。


415 年 11 月には輿鬼よきの星宿にて月蝕が発生。占いでは:「人主に憂いあり、財宝が流出する」兆しとされた。あるいは大赦の兆し、とも。なお翌 416 年には後秦こうしん討伐の大軍が起きている。即ち、財貨の大量流出である。




晋書

安帝隆安五年三月甲子,月生齒。占曰:「月生齒,天子有賊臣,群下自相殘。」桓玄篡逆之征也。義熙九年十二月辛卯朔,月猶見東方。是謂之仄匿,則侯王其肅。是時劉裕輔政,威刑自己,仄匿之應雲。十一年十一月乙未,月入輿鬼而暈。占曰:「主憂,財寶出。」一曰:「月暈,有赦。」


魏書

天興四年三月甲子,月生齒。占曰「有賊臣」。五年十一月,秀容胡帥、前平原太守劉曜聚眾為盜,遣騎誅之。


(晋書12-4)




月生齒ってなに……まじで何が起こったの……まるでわからん……ただ、それが建康と平城、どちらからも確認できたものなわけですよね。なんかの占術書に詳しく載ってるのかなあ。気になるところです。

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