安帝16 412年 伐劉毅

1 月


通鑑

西秦せいしん乞伏乾帰きっぷくけんきがふたたび彭利發ほうりはつを攻撃した。




2 月


晋書

吳興ごこう太守の孔靖こうせいを尚書右僕射とした。


八年春二月丙子,以吳興太守孔靖爲尚書右僕射。



通鑑

乞伏乾歸が吐谷渾とよくこんを攻撃、服従させた。




3 月


晋書

山陰さんいんで地割れが起きた。落雷のような音が響いた。


三月甲寅,山陰地陷四尺,有聲如雷。




4 月


通鑑

劉道規りゅうどうきが病を得たため帰還した。劉毅りゅうきがその後任に任じられた。劉毅を送り出すための宴において胡藩こはんが「劉毅を殺すべきである」と主張したが、劉裕は却下した。

乞伏熾磐きっぷくしばん南涼なんりょうを攻め立てた。




5 月


晋書

乞伏公府きっぷくこうふが乞伏乾歸を殺した。すぐさま乞伏熾盤が殺し返し、西秦王となった。


夏五月,乞伏公府弑乞伏乾歸,乾歸子熾盤誅公府,僭卽偽位。




6 月


晋書

平北將軍の魯宗之ろそうしを鎮北將軍に昇進させた。


六月,以平北將軍魯宗之爲鎮北將軍。



通鑑

西秦のクーデターは後秦せいしんをも動揺させたが、最終的には介入しない方向で決着した。




7 月


晋書

司馬季度しばきど、劉道規が死亡した。


秋七月甲午,武陵王季度薨。庚子,征西大將軍劉道規卒。



通鑑

北魏ほくぎ拓跋嗣たくばつしが東方を巡察した。

乞伏公府は西秦の貴顕らに攻め立てられた。




8 月


晋書

皇后のおう氏=王献之おうけんしの娘が死亡した。司馬純之しばじゅんしもまた死亡した。


八月,皇后王氏崩。辛亥,高密王純之薨。



建康

月が泣星に乗り上げた。



通鑑

乞伏熾磐が西秦を継承した。

拓跋嗣が平城へいじょうに帰還した。




9 月


晋書

王皇后を休平陵きゅうへいりょうに埋葬した。劉裕りゅうゆう劉藩りゅうはん謝混しゃこんを殺害、詔勅を捏造した。「劉毅は荊州けいしゅうを拠点に謀反を目論み、劉藩と謝混はそれを補佐していた。劉裕殿の先を見通す目のため謀反の凶機は取り払われ、国家は再び安寧を取り戻した。さて、天とは徳を好むもの。罪人とてその限りなき明徳にて包み込まれる。仮にそれが謀反などという極悪事に手を染めたにしても。故に、ここに大赦をなす。ただし、さすがに劉毅を許すわけにはゆかぬ。文武の爵位をことごとく一等上げ、孝順忠義の者たちに天の慈悲があまねく行き届くようにせよ。」劉裕は軍を率い劉毅を討ちに出た。配下将の王鎮悪おうちんあく江陵こうりょう城を落とし、劉毅は自殺した。


九月癸酉,葬僖皇后于休平陵。己卯,太尉劉裕害右將軍兗州刺史劉籓、尚書左僕射謝混。庚辰,裕矯詔曰:「劉毅苞藏禍心,構逆南夏,籓、混助亂,志肆姦宄。賴寧輔玄鑒,撫機挫銳,凶黨卽戮,社稷乂安。夫好生之德,所因者本,肆眚覃仁,實資玄澤。況事興大憝,禍自元凶。其大赦天下,唯劉毅不在其例。普增文武位一等。孝順忠義,隱滯遺逸,必令聞達。」己丑,劉裕帥師討毅。裕參軍王鎮惡陷江陵城,毅自殺。



建康

司馬休之しばきゅうしを荊州刺史とした。



通鑑

乞伏熾磐が統治体制を固めた。




10 月


通鑑

仇池きゅうち楊盛ようせい後秦こうしんに反旗を翻した。姚興ようこうは周囲の制止を振り切って討伐の軍を動かし、案の定敗北した。更に赫連勃勃かくれんぼつぼつ平定のために発した軍も敗北した。

姚興はさい氏を皇后とした。

沮渠蒙遜そきょもうそん姑臧こぞうを拠点とした。




11 月


晋書

沮渠蒙遜が河西かさい王を自称した。


冬十一月,沮渠蒙遜僭號河西王。


建康

劉裕はしょく討伐の総大将に朱齢石しゅれいせきを抜擢した。群臣は難を示したが、押し切った。




12 月

晋書

西陵太守の朱齡石を蜀討伐に赴かせた。荊州のうち十郡を分割、湘州しょうしゅうとした。廬陵ろりょう南康なんこうで四度地震があった。


十二月,以西陵太守朱齡石爲建威將軍、益州刺史,帥師伐蜀。分荊州十郡置湘州。

是歲,廬陵、南康地四震。



建康

蜀討伐には蒯恩かいおん臧熹ぞうきら2万の水軍を率いさせた。東陽とうように住むこう氏の家で子供が生まれたが未熟児であった。この駄目埋められたのだが、数日後に土の中で泣き出した。掘り出し、救い出された。

石頭せきとう城の東部に高台が建てられた。入漢樓にゅうかんろうと名付けられた。




(晋書10-16_政事)

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