ゴール目線~変態的妄想タイムを添えて

牛寺光

第1話

ここは中距離走のゴール。私はとある高校の陸上部のマネージャーをしている。今回の大会はグルグル回るタイプじゃなくて道を走るタイプだから今走っている人の情報がほとんどない。入ってくる情報は1キロ、2キロ、3キロ、にある連絡地点と監督からの指示ぐらいです。ただ監督は私じゃない人に指示を出します。納得いかなですが。なので私に指示がくることはありません。

話変わって今走ってるのは私の片思いの人。恥ずかしいな。自分の心の中だけだとはいえ心の中で片思いのだと自白るすのは辛い。そしてこうしてよくわからない自白しつつあの人の走りにドキドキすること2分。その2分がなによりも辛かった。もう心臓がギリギリです。

入ってきた情報は1キロのところ。内容は速度はまぁいつも通り。応援の声が大きかった。好きな人が応援されてると嬉しい。

ここであらかじめ撮って置いた中継地点の写真を見ながら走って汗だらけになったあの人を想像してるにやけます。これは中継地につくたびにこれをやります。

しばし妄想にお付き合いください。

「はぁはぁ」息切れしているあの人を想像します。なんかこれだけで興奮してきました。辛いです。とりあえず早く夜になって欲しいです。何故とは私の名誉のために言いませんが。

まあ余談はこのぐらいにして真の妄想をしていきます。

息切れしているあの人に私は給水所で水を手渡します。そののボトルの中には水で薄められた私の血が。そんなことを知るはずもないあの人は何のためらいもなくその水を口に運びます。けれど疲れていてあの人は私の血に気づきません。そして私の血はあの人の血肉に形成され直すのです。

まず最初に妄想にお付き合いいただきありがとうございました。というか私は何故お礼を言ったのか。

気にせず次の報告を待ちます。モヤモヤしてるうちに一つ気づきました。周りに誰もいません。この場所付近だけ人がいません。まるで何かを避けるように。

そんなどうでもいいことを考えていたらもう報告です。

ペース配分はちょうどよかったみたいで落ちてないです。そしてお待ちかね(主に私が)第二回妄想タイムのお時間です。

また今回も私は給水地点で水をを渡す係です。そしてあの人が来るタイミング。緊張でボトルを落としてしまいます。そんな時普通は素通りするのが普通ですがあの人は落としたボトルを拾あげます。そして一言「君がくれたものだから落とせないよ」といって去っていくのです。そして次に会った時には金色に輝くメダルを首から下げていました。

なにがとは言わないですけど物足りないですね。少女漫画過ぎます。でもこれもこれであの人のかっこよさがにじみ出てます。

そして涼しいな、風通しがいいなと周りを見るとさっきよりも周りの人が離れてます。ここを中心に。ここに何かあるんでしょうか。怖いので私も人だかりの方へ行っておきます。なぜなら私は非力なか弱い純粋な乙女なのですから。

三キロ地点の連絡を待ちます。この連絡さえくればゴールまであと少しなのです。そしていつも通り順調なペースである報告を受けます。そして当然始まる皆お楽しみ妄想タイムです。

大きい声援を受けながらあの人が最後の直線に入ってきます。後ろには優勝候補と名高い選手が控えています。大会によってはゴール前の追い抜きがダメなところがありますがこの大会は大丈夫なので最後まで気が抜けません。そしてラスト十メートルのところで後ろの選手がラストスパートをかけてきます。なんとか逃げ切ったその人は走り終わって気が抜けたのか私にもたれかかってきました。あの人の特別な汗のにおいが。そして私にもたれかかったまま寝てしまいます。

現実の方から歓声が聞こえてきます。意識を戻すとあの人が優勝候補を差し置いてトップで帰ってきています。


そして私が覚えているのはここまでです。あの人もその後直ぐ私にもたれかかって寝てしまったため記憶があやふやだそうです。

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