行かざるか、戻らざるか

「昔は幸せだった」

そういう事を言う時は

大抵何か幸せそうなものを見た時で

そして今の自分を俯瞰してしまった時だ


無い物ねだりをしたって仕方がない

それを埋める為の何かを探すしかない

そういう事は現実もゲームだって同じだ

それ分かってるんだ、分かってる


歩こうと決めた道でも

酔いどれのようにフラフラと歩いて

夢だとかいう通行人の肩にぶつかって

そいつの舌打ちが耳を貫く


そんなもんだから行きたくも無くなるよな

何かをするからそういう目に遭うんだ

そうして自分自身と不幸自慢をするもんだから

余計にやるせない夜を迎える


それなら進むべきかって

そしたらまた同じ目に遭うんだろう

嘲笑を目一杯受けて自己肯定が擦り切れて

そうして今日も死にたい夜が出迎える


そんなことばっか考えてるから

行かざるべきか、戻らざるべきか

そういう二択論になってしまって

そして今日もどうせ変われないで終わるのだ

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