希望

深夜二時の公園のベンチ

春にもなりきれない冬のような風が

僕の横で僕のように捨てられたレジ袋が

僕の声にも鳴らない無念を飛ばしていった


なんにも無い人間になってしまった

他人に誇れるもんなんて一個もない

数えるしかなかった僕の良いところは

今日出したゴミ袋を買ったら消えた


なんにもならねえ、何にもなれねえ

そういう事をひたすら嘆いてきた

どうしようもなく自分が嫌いだったんだ

だからこの深夜二時は大抵反省会だった


だけどどうしたって時は流る

ずっと一緒ってことは無い

良くも悪くも環境は変わる

なるようにしかならない事もあるけれど


少なくとも今はこれで良かったって思ってるよ

明日またクソくらえと言ってるかもしれないが

でも「これでいいんだ」っていう今日の記憶が

またいつか僕の糧になってくれるか


そういえば今日あいつに言われたよ

「好きなことにひたむきな所は尊敬してる」

あいつにそう言われるとは驚いたよ

悪い気はしなかったけど


なんだかんだこんな僕だって

誰かの希望になれてるんだ

だったら捨てたもんじゃないよな

こんなクソッタレた人生も

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