第3話 優しい人


「今日も疲れたなぁ」

私は、時計を見た22時だった

比呂の誘い断って正解だったなぁ

久しぶりに皆に会いたかったけどしかたない

今は、とりあえず仕事に集中しようと自分で自分に渇をいれた。


「あ!先輩こんな時間まで仕事ですか?」

「今、帰る所だよ」

「和樹君は?」

「俺も帰る所です」

「そうなんだ、お疲れさん気をつけて帰るんだよ」

「いやいや、俺もう25ですよ」

「和樹君もう25なんだぁ」

早い早い時の流れは無常だ

と言うことは私は28になるって事だよね会社に入って6年って事?

え!思い返せばこの約6年

ちゃんとした恋してないかも

好きになりそうな人は数人いたけど仕事が忙しくなるタイミングと重なる

「先輩、先輩」

「ひとみ先輩」

「うん、どうしたの?」

「いやいや目がいっちゃってますよ」

「そんなことないよ」

「それなら良いんですけど、先輩、ご飯食べました?」

キュウルル

え!お腹がなってしまった恥ずかしい早くこの場から離れたい

「先輩、牛丼でも食べに行きましょう!」

「俺もお腹空いてたし時間も遅いし丁度いいでしょ!」

すこし強引だったけど嬉しかった

「うん、食べにいこう」と優しく和樹に言った

「しゃー!ひとみ先輩とご飯行きたかったんですよ!」

「牛丼なんていつでも食べれるじゃん」

「誘えないですよ、いつも忙しそうで誘うなオーラが出てるんですよ」

「それって私の事、ディスってる?」

「ディスってないですよもっと俺の事、見てくれないかなぁって」

「ちゃんとみてるよ企画書だって真面目に働いてる姿も」

「ちがうんだよな」和樹は私に聞こえないくらいの声で言った

「うん?聞こえないよ」

「大丈夫です!また牛丼誘っても良いですか?」

「良いよ!」

「じゃーお疲れ様です!ひとみ先輩」

「うん、お疲れさん」

私は歩きだし

なんかいつもより足が軽く感じた

人とご飯たべただけなのに何か満たされていた。


ピロン!

こんな時間にメール

「先輩、お疲れ様です!牛丼はやっぱり旨いすっね!明日、会社で」

和樹からのメールだ

返信するか悩んだけどしなかった。

私は先輩で和樹は後輩

ちゃんと線引きしないと駄目だと思ったから


ピロン!

メールの届く音

比呂からのメール

「今度は事前に日程決めるから次は来いよ!」

相変わらず強引だな比呂は

「了解です。私もみんなと会いたいから頑張るね、お休み」

皆と会いたいと思っている比呂が毎回、誘ってくれる事も嬉しい

でも、遅い時間のメールは苦手だ


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