縁切弁護人

小早敷 彰良

プロローグ

 縁切弁護人、これが半夏生潤はんげしょうじゅんの異名だった。


 彼には噂がつきまとう。

 老年の大学教授曰く、調停のプロフェッショナル。どんな案件も終わらせる弁護人。

 妙齢の女医曰く、二国間で三世代にわたって争われてきた家督争いを解決したこともある調停人。

 年齢不詳の男曰く、依頼さえかければ誰だって、誰とだって縁が切れる。


 彼ならばきっと、怪奇現象とだって、縁を切れるはずだ。そう、依頼人たちは口を揃える。


 噂に誘われた不可思議な依頼の数々。


 半夏生は今日も不機嫌そうにに向かっている。

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