心境のたれながし
@tsumoto
第1話 書くことについて
唐突だが、私は文章を書くことが好きである。
文章を書くことは自分自身と向き合うことであり、自分を再確認できると思うからだ。
様々な情報を見聞きし、多様な価値観に触れている現代人にとって「個」とは今後重要視せざるを得ない。ナンバーワンよりオンリーワン。そんな時代に移ろってきたように思う。
そういうことで文章を書くことは大変好きなのであるが、どういうことだか書く頻度が少ないのである。
いや、理由はわかっている。
私たち日本国民には義務がある。日本国憲法で定められているアレだ。「教育」「勤労」「納税」だった。
「だった」という語尾になったのは、法学部出身の私だが、三つの義務のうち三つともうろ覚えなので、これを書いている最中に違うタブで調べたからだ。いいんだ、人間は忘却する生き物だ。調べられるものをいちいち覚えておく必要などないって、アインシュタイン先生も言っていたから問題ない。
話は戻って、書く頻度が少ない理由に戻ろう。
私は成人している。今年ではや十年は経とうとしている。
子どもの頃に思い描いていた「大人」像とはずいぶんかけ離れているが、年齢確認もされなくなってずいぶん久しい。自他も社会も認める大人になった。
そんな大人な私は「教育」の義務はもちろん修了している。では残りの二つはどうだろう。こちらももちろん行っている。「勤労」と「納税」だ。
そう、勤労しているのである。
つまり疲れているのである。
飛躍しすぎた感じが否めないが、大人ならわかってくれると信じている。仕事は楽しくても楽しくなくても疲れるのだ。「疲れない」と言う人はごくわずかだろう。そんな人はたぶんずっと交感神経が優位になっていて、常に興奮状態なんだと思う。不健康だしリラックスしたほうがいいぞ。
疲れているとどうなるか。何もする気が起きないのである。
「本当にしたいことなら、疲れていてもできるはず」……あぁ、そんな声が聞こえてくる。
言いたいことはわかる。そう思っていた時期が私にもありました。
仕事が終わってからの時間、仕事前の朝の時間など……。工夫すればいくらでも時間は作れる。
けどその作った時間の裏には、犠牲にした時間が必ずあるのだ。そして、その大半は睡眠時間だと思う。食事の時間なんて削ったところでたかが知れている分数である。睡眠時間が削ることで一番まとまった時間を確保できるのだ。
でも組織の一員として働いている以上、翌日の仕事に支障をきたすようなことはできないのである。例えば、睡眠不足のような。
睡眠不足が引き起こすパフォーマンス力の低下は著しい。考えはまとまらないし、日中は眠たい。居眠りなんて言語道断である。
しかも睡眠不足が続くと様々な不調が発露する。最終的には病気になったり、それがもとで急死したりする。つまり睡眠不足は敵なのである。
だから睡眠時間は削れない。しかし睡眠時間を確保すると、文章を書く時間がとれない。
ということで、文章を書く頻度が少ないのである。
ならば、なぜ今こうして書いているのかというと、端的に言うと「興がのった」からである。
先ほどまで私は手帳に三行ほどの日記をつけていた。仕事についての思うところなので、日記というより業務日誌である。せっかく手帳を買ったのだから、有効活用しようと思って始めたことである。
また、そのあとに祖母宛ての手紙を書いていたのである。祖母はどうやら軽度の認知症であると、祖母と同居している父から聞いた。「たまには電話してやってくれ」と父から要望を受けたが、私のシフト上、祖母の起きている時間帯に電話することがとても難しいのである。その代替案として手紙を書くということが挙げられたのである。
さて、日誌も手紙も己のことを振り返る内容を書くことが多い。改めて己と向き合ってみて、やはり文章を書くことが好きだと再認識したのである。好きすぎて、今度職場を離れる先輩スタッフに寄せ書きだけでなく個人的に手紙を書こうとも思う。
その流れで、「最近のこうしてつらつらと思い浮かべることを文章にしたらいいじゃないか」という考えにいたったのである。
登録したきりで一度も活躍していなかったカクヨムのサイトも、ログイン状態が保たれていた。これはやはり書くしかない。そう思い今こうして綴っているのである。完全に勢いである。これが「本当にしたいことなら、疲れていてもできるはず」という瞬間である。
この瞬間がずっと続けばいいのだが、私は働いており一日の仕事量はその日によって変動する。暇な時もあれば忙しい時もある。どちらにしてもメンタルやフィジカルが消耗し、帰宅したときの残り体力にもばらつきがある。
これを書いている今日は売上も多く、「仕事をした」という達成感があり疲労感が少ない。だからこそ、この文章が書けたのである。
さて夜もすっかり更けてきた。明日は八時起きにも関わらず、現在時刻は二十五時四十分である。今から風呂に入って寝支度を整えたなら、就寝時刻はおそらく二十七時になる。朝八時まで五時間しかない。六時間以上は寝ないと日中眠たくてたまらない私にはまるで拷問のような睡眠時間である。
こうして、私は貴重な睡眠時間を犠牲にして、明日の寝坊に怯えながら文章を書いているのである。
寝て起きて活動した後の私のコンディション次第では「やはり睡眠時間は削るべきではない」と強く主張するだろう。明日も居眠りや寝坊をせずにいられるよう願う。
心境のたれながし @tsumoto
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