勇者がなかなか来ないので迎えに行こうと思います

きりな

第1話 魔王様は勇者を迎えに行きます

「なぜだ。なぜだ。なぜ魔王城に勇者が来ないんじゃあ〜!!!」


この世界には勇者という者達がいる。勇者は魔王を倒し世界に平和を訪れさせる存在だ。だがこの世界の勇者はどうだ。正直言ってもう来てもいい頃なのに勇者は魔王城に全くと言っていいほどやってこない。


「勇者よ〜、俺は退屈しておる。早く来てくれ〜」


「いや、リルナ様が1面から魔王城戦闘員上層部のミランさんを出してしまうから全くと言っていいほど勇者が来ないんですよ。1面からラスボスの一歩手前みたいな存在置いたら勇者も来れるわけないじゃないですか。」


ちなみにリルナ・ヴィナイトという名前が俺の名前だ。そして俺にツッコミを入れてきたのはこの魔王城のお手伝いさんのヨザクだ。ヨザクが言っていた事は全て真実だった。俺が1面からミランを出動させたのもボス並みの強さを持ってるのも事実である。だけどこれだけは言いたい。俺は元気よくヨザクに指を指し言った。


「すぐに突破できてしまったらつまらないではないか!!」


そんなことを言った俺にヨザクは少し呆れて正論を告げてきた。


「だから勇者が魔王城にやってこないんですよ。」


「「やはり俺のせいなのか?」」


などと内申思っていると1つの結論にたどり着いた。勇者は魔王城にやってこない。なら…


「ヨザク、俺は今から…」


「はいはい何するんですか?」

 

「勇者を迎えに行く!」


「はい!?」


勇者が来ないなら迎えに行けばいい。そう思った俺は勢いよく玉座を立ち上がる。


「え、ちょ、リルナ様!?貴方魔王様ですよ!!本当に行かれるのですか!?」


そう言っているヨザクに向かって俺は一言告げる。


「当たり前だ。来ないなら迎えに行くまでだ!」


これが俺ことリルナ・ヴィナイトの一人旅の始まりだった。

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