第3話
次の日
遠野の眠たい目をこすりながら起きる。
「はぁぁぁぁぁ」
いつもより長い時間ゆっくりとため息をした。
昨日の疲れがたまっているようだ。
しかしながら、今日は学校のため朝早くから起きなければならない。そのため嫌でも起きなければならないのだ。
今は朝の6時。まだまだ学校には時間がある。早いと思うかもしれない。
しかしそれにはちゃんと理由がある。
その理由は、親が海外に出張していることが多く、最近はあまり帰ってこないため、何でも一人でやらないとだめだからだ。
「今日は逆に一人の方が良かったかな」
一人で今日は過ごしたい気分だ。昨日のこともあったし整理したい。
「はぁ。なんだが疲れたなぁ。少しは昨日より落ち着いたけど、復讐心は未だ残っているって感じ」
昨日よりも冷静になっており、顔も少しはいつも通りの顔になっていっている。
そして立ち上がりキッチンに向かう。キッチンは綺麗で洗う物はないようだ。
それを見た遠野は思う。
昨日は何も食わないまま寝てしまったってことか?
帰ってきてからは記憶がないため思い出そうにも無理な話だ。
そう思うと朝食をつくる準備をする。
今日は精神的にも身体的にもきついからあまり作りたくないんだが作らなければさらに体が働かなくなるから嫌でも作らなければならない。
冷蔵庫にもうチンしてすぐお手軽に作れるものがないしな。
「まぁとりあえず朝食作って食べますか」
作っている最中は特に何もなくスムーズに進んだ。
そして朝食を食べ始めた。
味は特に誰が作ったとしても変わらない味であり個性もない。
「はぁぁそういえば、今日も一緒に花音と登校するんだよなぁ」
昨日のこともあることで、目を合わすことすら大変だと思われる。
「なんて会話をすればいいんだろうな…」
でもいつも通りにしないと、バレてしまう可能性もあるからちゃんと切り替えないとだめだな。
そう思いながら学校に行く準備をした。
準備をした後は時間に合わせるため、時間を見ながら玄関を出た。
待ち合わせ時刻よりも遅れてしまわないように歩く。
今日は天気もいいし、風もなく、最高の天気だ。しかし、これから花音と一緒に登校するということで俺のテンションは下がっている。
「はぁぁ花音と登校がなければ最高だったんだがな…」
そしてそんなことを考えているうちに待ち合わせの場所に到着した。
待ち合わせには花音の姿が見えるが、特に変わった様子もなくいつも通りだ。
「あ、尊くん!おはよー!」
「あ、おはよう!待った?」
「いや全然待ってないよ!今着いたばっかだよ!」
「あ、そうなんだ!じゃ行こうか」
そう言うと歩きだす。
「昨日は用事があってごめんね!ほんとは会いたかったんだけどさぁ」
そう言うと同じタイミングで遠野は思い出す。
そう言えば、誕生日プレゼント買ったんだった!そんなことなんて覚えてすらいなかった。どうしよう、あの誕生日プレゼント。
まあ正直あげる気はでないんだよな。
「いや、全然大丈夫だよ!」
しかし何が会いたかったんだよ。昨日のこと見てるからわかったんだよなぁ。
「そう言ってくれて嬉しいな!」
本当は話したいことがある。
しかしそんなこと言えるはずもなく、しぶしぶ会話を繋げ学校に向かったのだった。
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