第5話台無しにする三ケ野
昼休み。
教室を出ると、隣のクラスの男子から話しかけられた。
「あっ加瀬さん。三ケ野と何かあったの?気になって、嫌なら言わなくていいけど」
「まあ、嫌ってわけでもな──」
「加瀬さーって、何で男子と話してんの?二股してるの、加瀬さんひどいよっ!」
男子に訊ねられたことに返事をしているのを走ってきた三ケ野に遮られる。
「何言ってんの、三ケ野っ!二股してないし、誰とも付き合ってないから!人聞きの悪いこと言わないでっ!」
ウチは、彼女の胸もとを掴み叫びながら否定した。
「何慌ててるの?それに首しまるよ、苦しいよぅっ加瀬さぁっんぅ......なぁ、してぇ......」
ウチは、彼女の呼吸が浅くなっていくことに気付き、手を離して謝る。
「っご、ごめんっ!三ケ野さんの首を絞めるつもりはなくて......」
「げほっげほ、うぅぅっ......怒らすようなこと言ったみたいで、ごめんね。加瀬さんが盗られたよう、はぁっ、こほっ......に感じて」
咳き込んで、謝る彼女に改めて頭をさげて謝る。
「必死になってた。ごめん、三ケ野......保健室で休ませてもらおう」
「いいよ、私が怒らしてこうなったから。一緒に食べない、昼食?」
「うん。ごめんね、葉山くん」
ウチは、男子に一言告げ、三ケ野と並んで歩き出す。
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