蒼星伝 ~マッチ売りの男の娘はチート改造され、片翼の天使と成り果て、地上に舞い降りる剣と化す~

ももちく

第1部:終末戦争

序章

プロローグ:アリス出撃

――第14次星皇歴710年4月9日 惑星ジ・アース:成層圏近くにて――


 神代かみよの時代から数えて、第334代目となる星皇:アンタレス=アンジェロは天界に展開している天使軍団の指揮艦である天鳥船あめのとりふねのブリッジに居た。金属製の椅子に座るアンタレス=アンジェロは眼を細めつつ、ブリッジ正面にある巨大スクリーンを見つめていた。


 星々が爆発するような光点と黒点が正面のスクリーンに所狭しと映し出されている。星皇:アンタレス=アンジェロはその光点と黒点全てに目配せし、天使と悪魔の戦いの趨勢を見守っていた。


 星皇:アンタレス=アンジェロは右手で金属製の椅子のひじ掛け部分にある通信機を手に取り、通信士に自分の妻であるベル=ラプソティに回線を繋いでほしいと願い出る。通信士はコクリと頷き、前へ振り向き直し、素早く両手でキーボードを叩き、地上との通信回線を確立する。


「繋ぎました、星皇様。しかし、ハイヨル混沌の影響下に置かれている今、3分しか無理です」


「ありがとう、ミシュランくん。では、必要事項だけを手早く、ベルに伝えることにしよう」


 星皇であるアンタレス=アンジェロは通信機のスピーカー部分を右耳に当て、マイクに向かって語り掛ける。


「やあ、私の愛しいベル。久方ぶりだね」


 アンタレス=アンジェロは努めて、優しい声で遠く離れた地で戦う妻に語り掛ける。しかし、アンタレス=アンジェロは返ってきた怒声によって、無意識に通信機のスピーカー部分を右耳から物理的に距離を開けてしまう。


「うっさいわねっ! 今、あんたと呑気にしゃべっている暇なんて、0.1秒もないわよっ!」


 星皇:アンタレス=アンジェロはやれやれと頭を軽く左右に振った後、もう一度、スピーカー部分に右耳を当てる。そして、愛しい妻に向かって、さらに優し気な言葉を投げかける。


「あんたという言われ方は釈然としませんが、私と貴女は夫婦なのです。私が貴女の身を心配するのは当然でしょう? 何が不満なのです?」


「不満も不満よっ! 忘れたとは言わせないわよっ! あんた、初夜にわたくしにしたことを忘れたとは言わせないわよっ!?」


 星皇:アンタレス=アンジェロは、はて? 何のことだろうと思い返さずにはいられない。妻との初夜において、自分は彼女の金色に染まる頭を優しく撫でながら、丁寧に衣服を脱がしていった。妻の透き通るような素肌に眼を奪われて、そこで一旦、固まってしまった。


 そして、彼女の裸体を隅々まで見ようと、彼女に体勢を変えてもらった。四つん這い。言わば、ワンワンスタイルだ。妻は顔から火が出そうと訴えかけてきた。自分はそんな恥辱に悶える妻の姿を見ていると、非常に興奮してしまったことは思い出せる。


「その後よっ! その後っ! そこまではわたくしもあんたになら、そんな恥ずかしい恰好を許せるって思ったわよっ! あんた、その後、何をしたのかってことよっ!!」


 妻の怒声はどんどん強まっていく。星皇:アンタレス=アンジェロはスピーカー部分から右耳を離し、少しの時間、考え込む。そうすることでアンタレス=アンジェロは愛しい妻にしたことをようやく思い出すに至る。


「ああっ! ベルのお尻が可愛いと思ったので、つい、引っぱたいたことですね? いやあ、すいません。あんな桃尻を見せつけられたら、そりゃ、男は誰でも叩きたくなるでしょ?」


「違うって言ってるでしょっ! あんたは、その後、わたくしのお尻の穴に強引に指を捻じ込んだでしょっ!!」


 星皇:アンタレス=アンジェロは、あぁぁぁぁ!! と大声で叫びながら、自分のおこないの全てを思い出す。アンタレス=アンジェロは妻であるベル=ラプソティが父親以外の殿方に裸を見せることが初めてなのは当然だというのに、ワンワンスタイルにさせて、さらにその上から妻のケツ穴に人差し指の根本までグリグリと捻じ込んだことを思い出す。


「いやはや……。ベルの尻穴がいやらしいのがいけないのです。私は一切、悪くありませんっ! 大事なことなので2度、言わせてもらいます。ベルの尻穴がいやらしいのがいけないのですっっっ!」


 星皇:アンタレス=アンジェロは、夫として、妻が恥ずかしがらないように精いっぱい、妻の良い所を強調してみせた。ブリッジに詰める天使たちは隣に座る同僚と顔を見合い、ひそひそと小声で、それはないわよね……と言い合うことになる。


「ああっ。100年にひとりいるかいないかの美貌を称えた尻穴なのです。ベルは何も恥ずかしがることはないのですっ!」


「いい加減にしてっ! あんた、ここから1万ミャートル以上も離れた場所で、そんなことを言うために、わたくしと連絡を取ってきたわけ!?」


 妻であるベル=ラプソティのその一言で、星皇:アンタレス=アンジェロは正気に戻ることとなる。そして、通信士から小声であと30秒だけだと手ぶりを加えた状態で伝えられ、ようやく本題へと移る。


「すいません……。私としたことが大事なことを伝え損ねるところでした。貴女は嫌がるでしょうが、私のめかけであるアリス=ロンドをそちらの援軍として送ります」


「アリス=ロンド?? なんだって、あいつをわたくしのところに寄越すわけ!? ミカエルお義姉様を寄こしてよっ!」


「いや……、姉はジ・アースの東方を守護してもらっています……。知ってて言ってますよね?」


「うん、もちろん。あんたの顔と同じレベルで、アリスの顔を見たいとは思わないものっ!」


 星皇:アンタレス=アンジェロは空いた左手で両のこめかみを抑えてみせる。そうした後、重ねて、妻であるベル=ラプソティを愛していると伝える。しかし彼女からの返事は無い。アンタレス=アンジェロは、そんなに自分のおこなった行為は罪だったのかと思うが、それを猛省しはじめる前に、通信士が地上への回線が切れましたと言ってくる。


 星皇:アンタレス=アンジェロは金属製の椅子についている背もたれに背中をどっしりと預けることとなる。そして、運ばれてきたホットレモンティの入ったティーカップを右手で持ち、ズズズ……と軽く音を立てながら、口の渇きを癒すこととなる。


「うん、美味しいですね、アリスくん。また腕を上げました?」


 星皇:アンタレス=アンジェロは右手でティーカップを持ったまま、右へ顔を向け、ホットレモンティを淹れて持ってきてくれたアリス=ロンドに誉め言葉を贈る。褒められたアリス=ロンドはニッコリと微笑み返す。


「星皇様の言う通り、ボクのおしっこを愛情分、入れてみたのデス。いつも、エッチの時に星皇様がボクのおしっこを美味しいって飲んでくれてますカラ」


 蒼髪オカッパのアリス=ロンドがそう言った瞬間、ブリッジに居るクルーたち全員が口からティーカップを離し、次いでブフゥゥゥ!! と盛大に噴き出す。その勢いはすさまじく、ブリッジ全体に霧状のモヤがかかることになる。しかしながら、星皇:アンタレス=アンジェロとアリス=ロンドは独特の空気を醸し出している結界を創り出しており、非難を込めたクルーたちの視線を受け付けることはなかった。


「貴女の愛が伝わってきます。地上から帰ってきたら、また激しくエッチしましょうね?」


「うぅ……。そんなことを言わないでくだサイ。ボクは今から出撃するのにお尻が濡れてきてしまうのデス……」


 頬を紅く染めた蒼髪オカッパのアリス=ロンドが可愛く思えたアンタレス=アンジェロは、彼女の蒼髪オカッパの頂点を何度も優しく撫でる。そして、行ってらっしゃいのチュゥを彼女のほっぺたにする。アリス=ロンドは顔をあげて、ニッコリと微笑む。そして、まるで買い物に行って、すぐに帰ってくるとばかりに軽やかなステップを踏みながら、ブリッジへの外へと出ていくのであった。


(アリスくん。これが今生の別れのチュゥにならないことを祈っています)


 ブリッジの外へ通じる金属製のドアをくぐるアリス=ロンドの背中をいつまでも眼で追うアンタレス=アンジェロであった。その紫水晶アメジストの双眸にしっかりと焼きつけておこうとばかりの仕草であった。しかし、そんなアンタレス=アンジェロの気持ちなど、一切、省みることなく、アリス=ロンドは天鳥船あめのとりふねの中を移動していく。


 彼女が向かった先は天鳥船あめのとりふねに乗る戦闘員が使う更衣室であった。彼女はそこでメイド服を脱ぎ、下着姿となる。そこで一旦、手を止め、更衣室にある大きな鏡に自分の半裸姿を映す。


「ボクはしがないマッチ売りの男の娘でしたけど、星皇様に見初められて、めかけにまでしてもらいまシタ……。この御恩をお返しするためにも、ボクが星皇様の矛となり、ベル様の盾となりマス」


 アリス=ロンドはまるで鏡に映る紅と緑のオッドアイの自分を説得するかのように独白する。その後、下着を脱ぎ、ポークビッツを1度、空気に触れさせる。そして、着替えとして用意されていた戦装束を身につけていく。彼女のポークビッツがいつものシルク製のショーツでは無く、革感が強いレザー製のショーツに包まれることになる。そのレザー製のショーツの締め付けが少々きついのか、彼女は右手でチンポジと玉ポジをいじることになる。


 その調整が終わった後、彼女はスカートを履き、身体の線が浮き彫りになるほどタイトなシャツの上から上着を羽織る。


「耐熱、耐刃、耐闇……。さすがはボクのために用意された超一級天使装束なのデス。これなら、大気圏へ単独突入しても大丈夫なはず……なのデス」


 アリス=ロンドは蒼と白を基調としたいくさ天使装束で身を包み込んだ後、左の腕先に装着している白金シロガネの籠手の表面を右手でなぞる。そうすることで光によって構成されたモニターが現出する。そのモニターに映し出されているデータを斜め読みして、アンタレス=アンジェロ様が、どれほど自分を愛していてくれるかを改めて知ることになる。


「行ってキマス、星皇様。ベル様の危機は星皇様の危機デス。世界に再び平和が訪れたら、皆でベッドの上でエッチして、朝食は焼きたてのパンと淹れたてのホットレモンティなのデス」


 アリス=ロンドは意を決し、更衣室から出て、さらに天鳥船あめのとりふねの後部にある天使出撃場所へと足を運ぶ。そこでは作業員たちが忙しく行き交いしており、アリス=ロンドの鼓動は嫌が応にもなく、高まっていく。


 いくさ天使装束に身を包んだアリス=ロンドを視認した作業員たちは一斉に作業の手を止めて、アリス=ロンドに天使の敬礼をする。アリス=ロンドも作業員たちへ天使の敬礼を返す。その後、アリス=ロンドはカタパルトへと移動し、足を発射台の上に乗せる。


「こちら、天使射出口。認識番号『ZGMF-X20A』。コードネーム『大空駆ける自由』。いつでも出せます」


 作業員がアリス=ロンドの出撃状態を確認後、ブリッジへと連絡を入れる。その連絡を受け取った通信士がブリッジに居る星皇:アンタレス=アンジェロに伝え、彼の口から出撃許可が出るのを待つ。アンタレス=アンジェロは一度、まぶたを閉じ、再びまぶたを開けると、彼の紫金剛石パープル・ダイヤの双眸には確かな意志が宿っていた。


「ZGMF-X20A。アリス=ロンドの出撃を許可するっ! ハイヨル混沌との戦いの希望とならんことをっ!!:


「アリス=ロンドの出撃許可が下りました。どうぞ、発射をっ!」


「アリス=ロンド、頼んだぞっ! 皆、下がれっ!」


 星皇:アンタレス=アンジェロの言葉は通信士、天使射出口の作業員たちへと伝播していく。アリス=ロンドの周りを囲む作業員たちが緑と白に光る棒を振り回し、アリス=ロンドを出撃させる最後の準備へと移行していく。アリス=ロンドはオープン型フルフェイス・ヘルメットの前部分を降ろす。次の瞬間、オープン型フルフェイス・ヘルメットの前面は透明化し、アリス=ロンドの視界を阻害することは無くなる。


「ZGMF-X20A。アリス=ロンド、出撃シマス。お土産はハイヨル混沌の首級くびデス!」


「そりゃとんでもねえなっ! いきなり撃墜されんじゃねえぞ、お嬢ちゃんっっっ!」


 アリス=ロンドは軽口を叩き、舌をチロリと可愛く出して見せる。作業員たちはその所作ひとつで心臓を天使の矢で射抜かれそうになるが、すぐさまキリッとした真剣な顔つきに戻り、アリス=ロンドがカタパルトから射出していく姿を見守る。


 アリス=ロンドは天鳥船あめのとりふねの後部から放り出された後、視界の360度全てに広がる世界を見ることになる。自分から見て下の方にはジ・アースが有り、ジ・アース以外の場所には遠くで輝く星々が見える。そして、背中に生える天使の2枚羽で姿勢制御しつつ身体を半回転させれば、そこには暗黒が広がっていた。


 大空にぽっかりと黒い穴が空いているかのように錯覚したが、アリス=ロンドはその黒い穴の中心部にこそ、悪の親玉が居ることを知覚する。そして、その黒い穴から次々と魔物モンスターよりも異形な姿をした怪物たちが、ジ・アースに向かって降下していく。


 惑星ジ・アース自体は強固な魔術障壁マジック・バリアで包まれている。そこを突き破ろうと異形な怪物たちが突っ込んでいく。しかしながら、空気と魔術障壁マジック・バリアの壁にぶち当たり、異形な怪物たちは摩擦熱で真っ赤な火の玉へと変わっていく。アリス=ロンドはそれらを無視して、まずは地上界と天界を繋ぐ黄金こがね色の柱:通称:軌道エレベーターへと接近していく。


 アリス=ロンドは背中側から大量の光の鱗粉をまき散らしながら、高速で移動し、地上界と天界の橋を占拠せんとする異形の怪物たちへと挑みかかる。


「第1目標。起動エレベーターを占拠せんとするハイヨル混沌軍団の駆除。アリス=ロンド。駆逐開始シマス!!」


 アリス=ロンドは左の腕先に装着している白金シロガネ製の籠手に右手を沿える。そして、右手を左から右へ振り抜く。すると、彼女の手には白緑色の光を放つ光刃が握られており、彼女は上下左右斜めへとその光刃を振り回す。手足が8本以上ある異形な怪物たちは次々と細切れにされ、軌道エレベーターから物理的に剥がされることになる。


 だが、その異形なる怪物の数は異常も異常であった。いくらアリス=ロンドが切り刻んでも、軌道エレベーターの色は元の黄金こがね色には戻ろうとしなかった。それゆえ、アリス=ロンドは光刃を手放し、腰に結わえている金筒群のひとつを手に取る。アリス=ロンドがそうするや否や、金筒は太さと長さを増す。アリス=ロンドはその金筒の片端を起動エレベーターに群がる異形な生物に向ける。


「ZGMF-X20A。マルチシューティングモードへ移行デス」


 アリス=ロンドがそう言うや否や、両手に一本づつ持っている長さ2ミャートル、太さ30センチュミャートルの金筒の片端から細くて長い光線が生み出されることになる。しかし、これでは火力不足と見たアリス=ロンドは次々と金筒を手にとり、光線の数を増やしていく。アリス=ロンドが自分の周囲にばらまいた金筒の数は全部で20を超え、その金筒1本づつから光線が飛んでいくことになる。それにより、異形な怪物たちは次々と穴だらけになり、軌道エレベーターから剥がされ、さらには惑星:ジ・アースへと堕ちて行き、空気の摩擦熱と魔術障壁マジック・バリアの影響で火の玉へと変わっていく。


 異形の怪物たちは詭道エレベーターを占拠・破壊するためにも、それを阻害しようとしている2枚羽の天使を抹殺しようとする。元は金色のエレベーターが今や紅と黒に染まり上がっていたが、その3分の1が元の金色に一時的に戻ることになる。アリス=ロンドを抹殺すべく、1万以上の異形なる怪物が一斉にアリス=ロンドへ向かって飛行する。


 アリス=ロンドは背中に生える天使の2枚羽を光の鱗粉をまき散らせながら羽ばたかせる。自分に向かって吐き出させる粘液を避ける。それを避けられた異形な怪物はその巨体自体をアリス=ロンドにぶつけようとする。しかしながら、アリス=ロンドは背中の2枚羽を巧みに操り、突進を躱しつつ、彼方へと飛んでいく異形なる怪物を金筒から発射される光線で穴だらけにする。


 異形なる怪物たちはこれでは埒が明かぬと判断し、ぐるりとアリス=ロンドの全方位360度をその巨体で埋め尽くすことになる。そして、ゲッゲッゲッ! と爬虫類のような笑い声をあげた後、爬虫類のくせに蜘蛛のような糸を放射状に口から吐き出す。


 アリス=ロンドは網のように広がりを見せる蜘蛛の糸に対して、両手で白緑色の光刃を握り、二刀流で蜘蛛の糸を切り刻む。結局のところ、異形の怪物たちの企みは上手く行かず、アリス=ロンドのターンになってしまうだけであった。


「ZGMF-X20A。フルバーストモード移行デス。包囲状態からの脱出を試みマス」


 アリス=ロンドは所持している金筒の全てを自分の周囲へとばらまく。白緑色の光刃も自分の周囲に展開し、さらには長さ5ミャートル、太さⅠミャートルの金筒を4本配置する。それらを配置し終えた後、アリス=ロンドは配置した金筒全てから光線を生み出し、さらには白緑の光刃を縦横無尽に走らせる。


 それにより、アリス=ロンドは包囲網から脱する。そして、これ以上は付き合ってられないと、再び両手に1本づつ白緑の光刃を握り、軌道エレベーターへと接近する。彼女は起動エレベーターに群がる無数の異形なる怪物たちを切り刻むと同時に、アリス=ロンド自身も空気との摩擦、そして魔術障壁マジック・バリアの影響により、火の玉と化す。


「ラーラーラ―」


 彼女は歌を口ずさんでいた。異形なる怪物を一体、また一体と切り刻みながらも、主を称える歌を唄う。高温で自分の周囲に展開させている天使フィールドが白緑色から紅へと変わっていいこうが、主を称える歌声を途絶えさせることはなかった。やがて、天使フィールドが崩壊し、空気の壁とジ・アースを覆う魔術障壁マジック・バリアとの摩擦熱は直接、アリス=ロンドが着こむ超一級天使装束を焼いていく。


 そんな状態の中でも、アリス=ロンドは歌い戦い、軌道エレベーターに張り付く異形の怪物たちを切り刻み続けた。起動エレベーターに沿うように錐揉み状態で横回転しつつ、地表へと螺旋状に堕ちていく。それから数分も経たずに真っ赤な火の玉となったアリス=ロンドはこの世の地獄と化した聖地:エルザレムへと降り立つ……。

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